国連特別報告者「停戦後もイスラエルが攻撃継続」
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国連パレスチナ問題担当特別報告官のフランチェスカ・アルバネーゼ氏は、イスラエルがガザ停戦合意成立後も攻撃を継続していると述べました。
(last modified 2025-11-06T11:43:38+00:00 )
11月 06, 2025 20:18 Asia/Tokyo
  • 国連パレスチナ問題担当特別報告官のフランチェスカ・アルバネーゼ氏
    国連パレスチナ問題担当特別報告官のフランチェスカ・アルバネーゼ氏

国連パレスチナ問題担当特別報告官のフランチェスカ・アルバネーゼ氏は、イスラエルがガザ停戦合意成立後も攻撃を継続していると述べました。

【ParsToday国際】アルバネーゼ氏は、ガザ地区での人道的状況を「明白なジェノサイド」とし、イスラエルが停戦合意を無視して依然としてパレスチナ人を殺害・追放し、飢餓をもたらしていると強調しました。アルバネーゼ氏の報告は、イスラエルによる軍事的な攻撃の規模だけでなく、性的暴力、医療施設の破壊、そして数千人のパレスチナ人が拘束されている現状にも触れています。

報告書は、停戦成立後に200人以上のパレスチナ人が殺害されたことを挙げ、イスラエルが国際的合意を無視し続けている証拠であると指摘しました。また、イスラエルを支持する国々をこのジェノサイドの共犯者とし、これらの国々に対し、イスラエルへの兵器供与や政治的支援に対して責任を問うよう求めました。

報告書の別の部分では、イスラエルがガザの医療施設や病院を意図的に破壊していることに言及しています。例えば、アルバスマ病院の産婦人科に対する攻撃では、何千人ものパレスチナ人の乳幼児を殺害され、国際監視団はこれをジェノサイドとしています。

さらに、1万人以上のパレスチナ人が現在イスラエルの刑務所に収容されています。この囚人に対する扱いは、国連が終結を呼びかけているアパルトヘイト体制の一環とされています。また、イスラエルはパレスチナ人に対して、性的暴力を「武器」として使用し、恐怖で支配し、拷問を行っているとも報告されています。

国連のグテーレス事務総長も、停戦が遵守され、占領の終結とパレスチナ民族の自己決定権を達成するための政治的道筋を作る必要があると強調しています。グテーレス氏は、イスラエルによるガザでの停戦違反について「非常に懸念を抱いている」と述べ、ガザの広範囲にわたる破壊についても触れ、教育システムの再建と市民サービスの復旧の重要性を訴えました。

国連が発表した警告は、イスラエル軍によるガザ地区でのパレスチナ人に対するジェノサイドが続いていることを示しており、停戦合意が発表された後も、なお無差別にガザの人々を殺害している犯罪的性質を浮き彫りにしています。

これらの警告にもかかわらず、国際社会の反応は依然として鈍く、十分ではありません。イスラエルによるガザでの継続的な犯罪は、アメリカの黙認なしには実行できなかったことは明白です。興味深いことに、トランプ米大統領はこの点を奇妙にも認め、イスラエルのガザへの攻撃を停戦違反とは見なしていないと発言しています。トランプ氏は、ガザでの最近のイスラエルの攻撃について、「この攻撃は停戦違反には当たらない」とし、「イスラエルはハマスの行動に対して自衛する権利がある」と主張しました。さらに、「ガザでの停戦は何の危険にもさらされることはない」と述べました。

ここでの疑問は、トランプ氏にとってイスラエルが停戦違反をしたと見なせる行動は何かという点です。おそらく、アメリカ大統領としてのトランプ氏の立場では、ハマスが自衛のために行動したり、イスラエルの野蛮な攻撃に反応した場合、それが停戦違反だとなるのでしょう。この立場は、トランプ氏がイスラエルに対して攻撃停止を促すことに消極的であり、イスラエルの行動を安全保障上の正当な反応と見なしていることを示しています。

一方で、報道によれば、トランプ氏は初期の停戦交渉の段階で、イスラエルが合意を守ることを保証していたとされていますが、実際には停戦違反後、イスラエルに対して効果的な措置を取ることはありませんでした。この姿勢は、アメリカの伝統的なイスラエル支持政策と一致しており、トランプ政権が停戦を公正に実行することよりも、イスラエルとの戦略的利益を優先していたことを示しています。そのため、停戦違反に対してトランプ氏が行動を起こさなかったのは、何もできなかったからではなく、イスラエルとの政治的・安全保障的な協調から来ていることが分かります。

 


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