南アフリカがガザでの大量虐殺事件の追及継続を決意した理由とは?
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南アフリカが、ガザにおける大量虐殺事件の追及を継続することを明らかにしました。
(last modified 2025-11-19T06:01:25+00:00 )
11月 18, 2025 19:43 Asia/Tokyo
  • 南アフリカが国際司法裁判所にイスラエルを提訴
    南アフリカが国際司法裁判所にイスラエルを提訴

南アフリカが、ガザにおける大量虐殺事件の追及を継続することを明らかにしました。

【ParsToday国際】南アフリカ政府は、パレスチナ・ガザ地区での大量虐殺罪を理由として、今後も引き続きシオニスト占領政権イスラエルをICJ国際司法裁判所で追及していくと表明しています。

南アフリカ国際関係・協力省は公式声明で、「停戦宣言によりイスラエルによるガザ攻撃中に犯された犯罪が帳消し、隠蔽されることは決してなく、一時的な敵対行為の停止はシオニスト政権による侵略行為の終結を意味しない」と強調しました。同省はまた「ICJへのイスラエル提訴の目的は、犯罪の再発防止及び、完全な責任追及の確保であり、単なるその一時的停止ではない」と表明しています。南アフリカはさらに「この法的措置はアパルトヘイトとの闘い、そして被抑圧諸国への支援という我が国の歴史的立場と合致するものである」との見解を示しました。

2023年12月、南アフリカの裁判所は、ガザ地区の民間人に対するジェノサイド罪に相当する行為を行ったとしてイスラエルをICJに提訴しました。その後、ICJはイスラエル政権に対し、ガザ地区住民の保護および、人道支援への円滑なアクセスの許可を要求する複数の暫定命令を発令していました。

南アフリカは、数十年にわたる人種差別・アパルトヘイト支配という歴史的経験、国際正義への約束順守、そして犯罪に対する道義的責任に基づき、ガザ地区でのジェノサイド事件をICJで追及する決意を固めており、一時的な停戦であっても、発生した犯罪の帳消しや隠蔽は不可能であり、完全実現まで正義が継続されるべきことを強調しています。

この点に関しては、以下に挙げる複数の点が指摘できます;

アパルトヘイトとの闘いにおける歴史的経験と遺産

南アフリカは数十年にわたりアパルトヘイト体制下にあり、長い闘争を経て自由と平等を勝ち取りました。この歴史的経験により、南アフリカ政府はあらゆる差別や抑圧に対して非常に神経を尖らせています。

アパルトヘイトとの闘いは今や南アフリカの政治的・倫理的アイデンティティの一部を構成しており、同国は現在、ガザにおけるジェノサイド事件の追及もその歩みの延長と見なしています。南アフリカ当局は、国際社会がかつて南アフリカ国民を支援してきたように、今度はガザ市民の声を代弁する義務があると繰り返し強調しています。

犯罪に対する道義的・法的責任

南アフリカ国際関係・協力省は公式声明において、「停戦や一時的な敵対行為の停止をもって、発生した犯罪を取り消しあるいは隠蔽はできない」とするとともに、「ICJへの提訴の目的は、暴力行為の単なる一時的停止ではなく、完全な説明責任の留保および、犯罪の再発防止にある」と説明しました。南アフリカは、国際司法は政治的利益とは独立して機能するべきであり、そうして初めて各国の信頼を得られると考えています。

被抑圧下の国々への支援

南アフリカの外交政策は、常に占領・抑圧下にある国々への支援を重視してきました。同国は、パレスチナ人への支援を、アパルトヘイト時代に南アフリカ国民に示された普遍的な支援の自然な流れであると見なしています。南アフリカ政府の見解では、ガザ市民に対する犯罪を目の前に沈黙を決め込むことは人道原則への裏切りであることに加えて、彼ら自身の闘争の遺産を軽視することに等しいとされています。

国際司法裁判所への提訴

南アフリカは、2023年12月にイスラエルをICJに提訴しました。その訴状は、シオニスト政権が1948年のジュネーブ・ジェノサイド防止条約への明確な違反行為を行ったと主張しています。南アフリカは、正義が実現するまでこの法的手続きを継続する必要があり、それはいかなる一時的な合意や政治的圧力にも妨げられてはならないと主張しています。この提訴の主な目的は、犯罪の再発防止および、国際レベルでの完全な説明責任の確保にあります。

最後に、ガザでのジェノサイド事件追及という南アフリカの決意が自らの歴史的経験、道義的責任、法的義務、そして被抑圧民への支援に根ざしていることを付け加える必要があります。南アフリカは、重大犯罪に対する沈黙を許さず、責任追及が保証されて初めて国際正義が意味を持つことを示したいと考えています。実際、そうすることで南アフリカはパレスチナ市民を擁護するだけでなく、アパルトヘイトとの闘いの遺産を守り続け、世界に向けて明確なメッセージを送っています。そして、それはまさに正義が政治のために犠牲にされてはならない、という明白なメッセージなのです。
 

 


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