イラン・中国・ロシアの戦略文書:西側諸国の圧力の無効化方法
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イラン・中国・ロシアの戦略文書は西側諸国の圧力を無効化
国際体制における重要な勢力主体としての中国とロシア及びイランによる2つの長期協定により、西側諸国の制裁圧力を軽減し、イランの経済的・戦略的協力を拡大する重要な可能性が整ってきました。これは、すべての機関の調整によってのみ達成できるとみられます。
イランと中国(25か年)およびイランとロシア(20か年)の間で2つの長期協力文書が調印されたことは、特に西側諸国が最も主要な対イラン圧力戦略として今なお制裁に依存し続けている状況において、イランの経済・戦略的外交における転換点と考えられています。
【ParsTodayイラン国際】イルナー通信によりますと、イランと中国およびロシアとの協力文書は経済、エネルギー、輸送、技術能力のネットワークを活性化し、制裁・制限の大部分を無効化する可能性があるとされています。
2015年の習近平・中国国家主席のテヘラン訪問時に初めて提案された包括的イラン・中国協力文書は、今日では投資の発展、インフラ、エネルギー、情報技術、観光におけるパートナーシップの基盤となっています。中国は世界経済において米国の強力な競争相手として、アメリカからの圧力と制約の標的とされており、イランと中国が「制裁を受ける」という共通の経験の共有により、双方にとって利益となる長期的協力への道が開かれることになります。また、トランジット輸送ルートにおけるイランの役割強化および共同プロジェクトへの参加は、外的圧力の時代に必要な経済的安定の重要な一翼を担うことになります。
一方、ペゼシュキヤーン・イラン大統領のロシア・モスクワ訪問の際に最終決定されたイラン・ロシア間2カ年協定文書では、安全保障、経済、エネルギー、交通、金融分野における重要なメカニズムが規定されています。ロシアもイランと同様に西側諸国による広範な制裁に直面しており、この共通の状況は両国間の協力基盤の強化につながります。新たな金融交流ルートの創出、エネルギー協力の発展、そして相互の産業利益の活性化は、両国間の通商関係の円滑化に向けた力になると思われます。
総括すると、これら2つの戦略文書は、西側諸国の圧力を克服するための手段である上、イランの地域・ユーラシア協力構造を強化し、経済・地政学的方程式におけるイランの立場を高めることも可能なのです。

