イスラエルが停戦違反しレバノンを攻撃する目的とは?
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シオニスト政権イスラエルがレバノンでの停戦違反を続行する中、同国首都ベイルート郊外に対する最近のイスラエルの攻撃で、レバノンのイスラム抵抗組織ヒズボッラーの上級司令官ハイサム・アリ・タバタバイ氏が殉教しました。
(last modified 2025-11-26T03:58:10+00:00 )
11月 26, 2025 12:55 Asia/Tokyo
  • レバノン抵抗組織ヒズボッラーのトップ、故ハイサム・アリ・タバタバイ氏
    レバノン抵抗組織ヒズボッラーのトップ、故ハイサム・アリ・タバタバイ氏

シオニスト政権イスラエルがレバノンでの停戦違反を続行する中、同国首都ベイルート郊外に対する最近のイスラエルの攻撃で、レバノンのイスラム抵抗組織ヒズボッラーの上級司令官ハイサム・アリ・タバタバイ氏が殉教しました。

レバノンにおける停戦は、2024年11月に開始されました。しかし、UNIFIL国連レバノン暫定駐留軍によりますと、イスラエル政権は過去1年間で約1万回にわたり停戦に違反しています。注目すべき重要な点は、イスラエルがレバノン政府の消極的な姿勢と沈黙に付け込んで同国を新たに攻撃しているということにあります。

レバノン政府がヒズボッラーの武装解除というアメリカ・シオニストの計画の追求に努めている一方で、イスラエル側はレバノンを攻撃するという格好になっています。

レバノンのナワフ・サラム首相はイスラエルの攻撃には強硬な姿勢を示していませんが、レバノンのジョセフ・アウン大統領はイスラエルによるベイルート郊外への攻撃を受けて、「レバノン独立記念日にイスラエルがベイルート南部郊外を攻撃したことは、イスラエルが対レバノン攻撃停止を求める度重なる呼びかけを無視し、国際決議の実施や緊張緩和、レバノンおよび地域全体の安定回復に向けたあらゆる計画や取り組みを拒否していることの、新しい明白な証拠だ」と強調しました。

ここで重要な疑問となるのは、停戦違反と新たな対レバノン攻撃の目的はどこにあるのか、ということです。

イスラエルによる停戦違反と再三の対レバノン攻撃の最大の理由は、ヒズボッラーの軍事面での再建を阻止することにあるように思われます。この目的は、司令官暗殺と軍事力再建の阻止という2つの形で追求されています。イスラエル側は司令官暗殺によって、ヒズボッラーは熟練メンバー不足という問題に直面させようとしています。

その一方、イスラエルは、ヒズボッラーの軍事装備の面での再建・強化を阻止しようとしているのです。

加えて、イスラエルがレバノンに対する暗殺と停戦違反に手を染めるもう一つの目的は、地域的なマクロレベルで検証する必要があります。

シオニストが牛耳るイスラエル政権は、引き続き地域レベルでの抵抗勢力の弱体化を狙うとともに、ヒズボッラーを支柱の1つとする抵抗勢力の地域的地位の回復阻止を画策しています。

もう一つの点は、ヒズボッラーの武装解除というアメリカとイスラエルの計画が失敗したことで、シオニスト政権はレバノン攻撃の続行により、ヒズボッラーの軍事力に甚大な打撃を与えるための新たな大規模攻撃を開始しようとしていることです。

実際、イスラエルによるこのような緊張扇動は決して想定外ではなく、シオニストが長らくレバノンに対し示唆してきた戦争の前兆だとする見方もあります。

最後に、レバノンに対するイスラエルの新たな一連の暗殺と攻撃は、レバノン国内でヒズボッラーの武装解除という言説が失敗に終わり、抵抗組織の兵器の維持の必要性という言説がより歓迎されていることを証明した形となっています。

首都ベイルートでは、大勢の市民らの参列によりシオニスト政権の攻撃による殉教者の葬儀が執り行われており、このことから、大半のレバノン国民の間では、抵抗の武器こそが同国の安全を確保し国家主権と領土保全維持の主要な柱であると信じられていることが見て取れるのです。

 

 


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