米国は張子の虎:虚勢的な権力から内的な脆弱性まで
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あるニュース解説サイトが「ホワイトハウスが虚勢を張っている舞台裏で、アメリカの構造的な弱点がこれまで以上に明らかになっている」と報じました。
(last modified 2025-11-26T04:02:17+00:00 )
11月 26, 2025 12:59 Asia/Tokyo
  • アメリカは張子の虎;虚勢を張るも内側は脆弱
    アメリカは張子の虎;虚勢を張るも内側は脆弱

あるニュース解説サイトが「ホワイトハウスが虚勢を張っている舞台裏で、アメリカの構造的な弱点がこれまで以上に明らかになっている」と報じました。

【ParsToday国際】ブルガリアに本拠地を置くニュース分析のウェブサイト「モダン・ディプロマシー(Modern Diplomacy)」は記事の中で、「米ホワイトハウスが虚勢を張っている背後には、アメリカの力のイメージと実際の統治能力とのギャップ拡大という、もっと奥深い真実が隠されており、国内の不信、予算不足、組織・機関の混乱により政府内の亀裂がこれまで以上に明らかになっている」と強調しました。

この解説記事ではさらに「アメリカ合衆国は表向きには依然として紛れもない世界の超大国であり、その大統領はアジアでは通商協定に署名し、西アジアではに新たな秩序体制の構築に尽力し、中南米には艦隊を派遣し、軍事・経済面での駐留・進出によって強大な力を誇示し続けている。しかし、こうした派手な権勢誇示の裏には、アメリカの権力的イメージと実際の統治能力の間に益々大きな隔たりが生じているという、より奥深い真実が隠されている」と述べています。

こうした矛盾ぶりは近年、特に前例のない連邦政府閉鎖、つまり米国史上最長の閉鎖以来、より顕著になっています。この閉鎖は一時的な党派間の争いの結果ではなく、米国における統治能力の衰退を如実に示した形となりました。その後政府は再開こそしたものの、構造的な亀裂は依然として残っています。

この分析によれば、ドナルド・トランプ米大統領は「偉大さの回復」をスローガンに掲げて政権の座に返り咲いたものの、その偉大さを創出すべき体制は、今や内部不信や予算不足、組織・機関単位の混乱に苦悶しています。こうした状況により、米国の外交政策は、深い戦略よりも戦術的な危機管理に頼る傾向にあります。その最たる例として、去る10月にトランプ大統領が東南アジアを長期訪問し、タイ、マレーシア、カンボジア、ベトナムとの貿易協定、そして中国との1年間の(通商面での)停戦協定に調印したことが挙げられます。これらの成果は表面的には成功と言えるものの、米国の経済的リーダーシップの真の復活というよりは、むしろ「人工呼吸」に近いといった方が適切です。

この記事はさらに「中国は今や、医薬品、半導体、リチウム電池など、主要分野における優位性を強化し続けている。中国との1年間の停戦は国内の政治的圧力を和らげ、トランプ大統領にとって明るい材料となるかもしれないが、米中競争の構造を変えることはないだろう」と報じています。

「モダン・ディプロマシー」はまた、「南米ベネズエラ、コロンビア、さらには西アフリカ・ナイジェリアに対するトランプ大統領の最近の脅迫はメディアによる脅し、軍の姿勢、持続可能な戦略の欠如を利用した『見せかけの教義』ではあるが、アメリカの根深い不安を反映している」との見解を示しました。

この分析によれば「アメリカ政府は、深刻化するソフトパワーの弱体化を隠すために、益々ハードパワーの誇示に依存している。しかし実際には、こうした虚勢により権威よりも混乱ぶりが露呈されている」ということです。

シリアのシャラア暫定大統領(通称ムハンマド・アル・ジャウラニ氏)の訪米は、アメリカが西アジアにおける自らの影響力を維持しようとしていることを如実に物語っています。トランプ大統領はこの会談を「新たな安定の時代の幕開け」と位置づけようとしているものの、主要な問題は依然として未解決のままとなっています。対シリア制裁解除は、今なお政府閉鎖の影響に揺れているアメリカ議会の判断にかかっています。シリア首都ダマスカス基地へのアクセスに関して提案された安全保障協定には、組織・機関による後ろ盾がありません。そして、予算削減によって弱体化した米国の国家安全保障体制では、もはや複数の重要な取り組みを同時に推進できなくなっているのです。

一方、サウジアラビアのムハンマド皇太子の訪米はより経済・技術的な側面を帯びてきており、「シオニスト政権イスラエルとの関係正常化」というスローガンはかつてないほど形骸化し、実質的な意味を喪失してきています。パレスチナ・ガザ地区への国際部隊派遣に関するトランプ氏提唱の20項目の計画さえも、国内の合意も十分な財源も得られず、机上の空論に終わっています。

実際にトランプ大統領は、国家安全保障官僚機構の縮小によってアメリカの力の源泉である外交、情報分析、そして同盟結成を弱体化させた形となっています。今日、アメリカの外交政策は外部からの圧力ではなく、国内の混乱によって制約されているのです。

最後に、このサイトは「『偉大さへの約束』と『衰退の現実』の間の矛盾は、日々鮮明になりつつある。米政府内における統治の危機は今や地政学的危機へと発展し、中国からイランに至るまでの各国は、アメリカの覇権ではなく同国の不安定さを目の当たりにしている。世界はアメリカの復帰を待っていない。国際体制は前進しつつある。今日、かつてないほど根本的な矛盾が露呈している。それは『国際体制の構築を目指す大国でありながら、国内秩序の維持に窮している勢力』である」と結論付けています。

 

 


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