アルゼンチンがマルビナス諸島における外国の違法な石油採掘に強く反対
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南米アルゼンチン政府が、マルビナス諸島(イギリス側呼称;フォークランド諸島)周辺での外国による違法な石油採掘に強く反対する姿勢を表明しました。
(last modified 2025-12-17T11:11:35+00:00 )
12月 17, 2025 20:10 Asia/Tokyo
  • マルビナス諸島北方のシーライオン油田
    マルビナス諸島北方のシーライオン油田

南米アルゼンチン政府が、マルビナス諸島(イギリス側呼称;フォークランド諸島)周辺での外国による違法な石油採掘に強く反対する姿勢を表明しました。

【ParsToday国際】アルゼンチン外務省は今月、マルビナス諸島での外国による違法な石油採掘に強く反対する旨を表明するとともに、アルゼンチン大陸棚にあるシーライオン油田でのイギリスとシオニスト政権イスラエルの一方的な行動を改めて非難しています。

これに関し、アルゼンチン外務省は今月11日に声明を発表し、英国企業ロックホッパー・エクスプロレーション社とイスラエル企業ナビタス・ペトロリアム・デベロップメント・アンド・プロダクション社がマルビナス諸島北部海盆のシーライオン沖合油田の開発を進めるという「最終投資決定」を断固として拒否しました。これに先立ち、両社はアルゼンチン大陸棚での無許可操業を理由にアルゼンチンから正式な制裁を受けています。

アルゼンチン外務省の公式声明は、以下のように述べています;

「アルゼンチン共和国は、わが国の管轄当局の許可なく行われた『最終投資決定』と称する決定に強く反対する。アルゼンチン政府の立場は、英国との主権紛争の存在を正式に認める国際法および国連決議に基づくものである。

シーライオン・プロジェクトは、南大西洋におけるここ数十年で最も野心的な石油プロジェクトの1つである。2010年に発見されたこの油田は、マルビナス諸島の北約220キロメートル、サンタクルス州沖に位置し、デカデオ港、サン・フリアン港、サンタクルス港の向かい側に位置している。推定埋蔵量は約8億1900万バレルとされているが、英国の研究では17億バレルにまで引き上げられている。

英紙テレグラフは、この油田の規模が、約3億バレルの埋蔵量を持つイギリス領北海のローズバンク油田をはるかに上回ると強調した。ローズバンク油田は、この地域で計画されている最大の開発となる見込みである。ナビタス・ペトロリアムはイスラエル占領地テルアビブ証券取引所で、このプロジェクトの第1フェーズに11億7000万ドルを投入すると発表したが、この一方的な開発の進捗状況から、アルゼンチンではこの数字に警鐘が鳴らされている。

複数の経済報告によれば、シーライオン油田の開発によりマルビナス諸島のGDP国内総生産が100億ドル増加し(もちろん英国とイスラエルの利益となる)、37億5000万ドルの税収が生み出される可能性があるとされている。これは、わずか3500人強の人口で、現在の経済が漁業、畜産、観光業に基づいている地域にとっては不釣り合いな金額である。

アルゼンチン外務省は、係争地域における天然資源の探査または開発分野におけるいかなる一方的な活動も、国連総会決議2065(XX)および31/49に違反すると強調してきた。この点に関して、当省の声明は、この反対には『プロジェクトの生産段階の進捗に関連するあらゆる措置が含まれる』ことを明確にし、これには島嶼の規制、開発権益、供給業者との契約などが含まれるとしている」

アルゼンチン政府はさらに、既存の制裁措置に改めて言及しています;

- アルゼンチン・エネルギー省の決議133/2012に基づき、英ロックホッパー・エクスプロレーション社は秘密活動を行っている企業と認定され、20年間の制裁を科された

- イスラエル企業ナビタス・ペトロリアムLPも、アルゼンチンの管轄区域において無許可で操業したため、決議240/2022に基づく同様の制裁の対象となった

アルゼンチン外務省は声明において「わが国の政府は自国以外のいかなる当局の管轄権も認めない」とし、これらの違法行為に関与した者は国内外で行政、法律、司法上の制裁の対象となると警告しました。また、同省の声明では、「新たな宣言は(…)将来的に不可逆的な影響を及ぼす可能性のある一方的な措置とみなされる(…)アルゼンチン共和国は、自国の主権的権利と利益の保護に必要な追加措置を講じるための行動計画をさらに深める」と表明しています。

こうした反対行動はアルゼンチン最南端のティエラ・デル・フエゴ州からも支持され、同州は英国の行動を「一方的、違法、かつ挑発的」と批判しました。また同州のマルビナス諸島・南極・国際関係担当大臣アンドレス・ダチャリ氏は、諸島民評議会の即時設立を求めるとともに「これはティエラ・デル・フエゴの人々、そしてすべてのアルゼンチン国民に属する資源の物質的な略奪である。(中略)刑事制裁と行政制裁の発動が不可欠だ」と警告しました。

イスラエル企業ナビタス・ペトロリアムの探査活動は2023年にも疑問視され、同社は2022年にアルゼンチン大陸棚で無許可で操業したとして20年間の制裁を受け、これにより英国とイスラエルは告訴されています。

 

 


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