EU会合:欧州は内紛の影響でロシア資産の凍結を断念
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ウクライナ戦争の早期解決を求めるアメリカからの政治的圧力の中、EU首脳らはロシアの資産没収・差し押さえという高い代償を伴う決定を撤回し、900億ユーロの融資の承認により内部の緊張と反ロシア行動の結果に対する危惧を明らかにした。
(last modified 2025-12-22T05:32:20+00:00 )
12月 20, 2025 17:48 Asia/Tokyo
  • 欧州が内紛の影響でロシア資産の凍結を断念
    欧州が内紛の影響でロシア資産の凍結を断念

ウクライナ戦争の早期解決を求めるアメリカからの政治的圧力の中、EU首脳らはロシアの資産没収・差し押さえという高い代償を伴う決定を撤回し、900億ユーロの融資の承認により内部の緊張と反ロシア行動の結果に対する危惧を明らかにした。

EU本部のあるベルギー首都ブリュッセルで行われた長時間の徹夜の協議の末、欧州首脳は、ロシア中央銀行の凍結資産約2000億ユーロのレバレッジ及び資金調達源としての活用をめぐり合意に至らず、代わりにEU予算からのより低コストの「共同借入」を選択しました。この決定は、深刻な法的・財政的リスクとロシアからの報復への懸念に直面し、欧州が自ら主張する団結・連帯性を失いつつあることを如実に物語っています。

【ParsToday国際】特に、ロシア資産の大半を保有するベルギーは、法的責任の分担について明確な保証を求めており、一部の国も、こうした措置が及ぼす広範な影響について公然と懸念を表明しました。ベルギーのバルト・デウェーヴェル首相は資産没収計画を「沈没船」に例え、この危険な選択肢を断念することを合理的として認めました。この立場は、ロシアに対抗するEUの作戦力の限界を間接的に認めていると言えます。

ドイツのフリードリヒ・メルツ首相をはじめとする政府高官は、この最終決定をプーチン・ロシア大統領への「明確なメッセージ」と解釈しようとしていましたが、ロシア資産の凍結失敗という事実自体が、欧州諸国の躊躇ぶりと慎重さを示す強力なメッセージとなっています。一方で、この決定が下されたのは、ドナルド・トランプ米大統領が戦争の早期終結を強く求めていた時期に当たり、ロシアの資産が今後のアメリカの利益との交渉に利用されるのでは、という憶測が飛び交っていました。

この借入は、短期的な猶予と長期的な試練の場として、ウクライナの当面の財政赤字を一時的に補填するものの、今後2年間で同国が必要とする1350億ユーロに比べれば不十分です。EU内部では、この融資受領の承認は、ハンガリー、スロバキア、チェコ共和国の3カ国を直接負担から免除することによってのみ可能となったものの、これは深刻な亀裂を改めて示した形となっています。

総括すると、ブリュッセル首脳会合の結果は、EU欧州連合が自らの決断力の強さを主張しているにもかかわらず、費用とリスクを伴う実際的な対ロシア行動においては、より摩擦の少ない政策を好んでいることを物語っています。この行動は、EU内部の分裂および、現実の権力闘争の場におけるEUの集団的意志の限界を同時に露呈させ、ウクライナ戦争に対する欧州の立場を矛盾と実際的保守主義の現場に引き出したことになるのです。

 

 


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