ソマリランド分離主義への対抗に向け、ソマリア政府が講じた措置とは?
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ソマリアのハッサン・シェイク・モハムド大統領
東アフリカ・ソマリア連邦共和国の一部・ソマリランドがシオニスト政権イスラエルに正式承認されたことで分離独立運動が活発化していることを受け、ソマリア政府はソマリランド地域を実効支配する分離独立主義に対抗すべく新たな措置を講じました。
【ParsToday国際】ソマリア政府は、特にシオニスト政権によるいわゆる承認を受けて以来、ソマリランドにおける分離主義的行動の増加に対抗するため、新たに本格的な対策を議題に掲げています。
この点に関し、ソマリアのハッサン・シェイク・モハムド(Hassan Sheikh Mohamud)大統領は、分離主義派のソマリランド地域との緊張が高まる中、同勢力当局が領有権を主張するソマリア北東部スール州の州都ラス・アノド市を訪れ、ジブチの高官代表団と会談しました。ソマリア大統領によるラス・アノド市への訪問は、実に40年以上ぶりとなります。シェイク・モハムド大統領は同市での演説で、「本日、私は北東部地域が正式にソマリア連邦共和国政府の一部であることを強調する。ソマリア北東部地域には、ソマリランド分離主義地域が領有権を主張するスール州とサナーグ州が含まれる」と語りました。
また、ソマリア国営通信社(SONNA)は、同国首都モガデシュの中央政府がUAEアラブ首長国連邦と締結した安全保障、防衛、港湾協定を含むすべての協定を破棄したと発表しました。ソマリア内閣は、UAEによるソマリアの主権、領土保全、政治的独立を損なう悪質な行動に関する信頼できる報告書と強力な証拠および文書の受領を受け、UAEとのすべての協定の破棄を承認したと発表しています。ソマリア政府は「この決定は、最近の状況を慎重に評価した上で行われた」と強調しました。また、これとは別の行動において、ソマリアと中国は共同声明の中で「ソマリランドはソマリアの不可分の領土の一部である」と強調した他、中国は声明の中で「わが国はソマリアの領土保全を支持し、ソマリランドをソマリアの不可分の領土の一部とみなしている」と表明しています。
ソマリランドの分離主義に対抗するソマリア政府の新たな措置は、政治、安全保障、そして主権に関する一連の目標の枠組みの中で進められています。ソマリランドは1991年以来、一方的に独立を宣言していますが、世界のいずれの国の政府もこれを承認していません。一方、イスラエルはその拡張主義的な目的に沿って、2025年12月にソマリランドを正式承認しました。近年、「アフリカの角」と呼ばれる東アフリカでの地域競争の激化と外国勢力の進出により、ソマリランド問題はソマリアにとってより神経を尖らせるものとなっており、ソマリア中央政府は外交、法的、そして安全保障上の手段を通じて、分離主義プロセスの強化の阻止に全力を挙げています。
ソマリアの第1の目標は、領土保全を強化し、地域における危険な前例の成立を阻止することです。モガディシュの中央政府は、一部の外部勢力、特に経済協定や安全保障協定の枠組みにおいて、ソマリランドが事実上あるいは非公式に承認されることで、中央政府の立場が弱まり、他地域もそれに追随しかねないことを懸念しています。そのため、ソマリアは外交活動の強化および、分離独立の法的影響の警告、そしてAUアフリカ連合と国連の支援を求めることで、ソマリランドの合法性獲得を阻止しようとしています。
第2の目的は、地政学的に極めて重要とされる「アフリカの角」即ち東アフリカ地域における外国勢力の影響力を阻止することです。東アフリカ地域は近年、様々な国の戦場となっており、ソマリアは、一部の政府、特にイスラエル政権とソマリランドとの、特に港湾や軍事分野における直接的な接触が、自国の構造に深刻な亀裂をもたらすことを懸念しています。ソマリアの新たな措置は、実質的にこのプロセスを抑制し、ソマリランドが外国勢力の拠点となることを阻止するための試みだと言えます。
そして、ソマリアの3つ目の目標は、内部結束の強化および、各地域的集団への力強いメッセージ発信です。独立国を自称するソマリランドに対してより強硬かつ積極的な姿勢を取ることで、ソマリア政府は国家主権を行使し、国内危機を管理する能力を示そうとしています。これらの措置は、国家再建、治安機関の強化、そして中央政府への国民の信頼向上に向けた、より広範な取り組みの一環でもあります。
こうして見てくると、ソマリアの新たな措置は、自称ソマリランドの動向に対する単なる反応ではなく、アフリカで最も一触即発とされる地域の1つにおける国家統一を維持し、外国の介入を防ぎ、中央政府を強化するためのより広範な戦略の一部であるように思われます。

