トランプ氏の度重なる発言撤回はイランに対する自暴自棄の証
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ドナルド・トランプ米大統領がここ数週間で複数回となるお決まりのシナリオを繰り返し、イランへの再攻撃を提起しました。
(last modified 2026-05-19T22:23:47+00:00 )
May 20, 2026 07:20 Asia/Tokyo
  • ドナルド・トランプ米国大統領
    ドナルド・トランプ米国大統領

ドナルド・トランプ米大統領がここ数週間で複数回となるお決まりのシナリオを繰り返し、イランへの再攻撃を提起しました。

精神異常気味とも囁かれるトランプ氏は今月18日、翌日19日にイランへの「非常に大規模な」攻撃を行う、という脅迫を取り下げ、その理由として「アラブ諸国の指導者らが対話を求めてきた」と弁解していました。期限を設定して過激な話法を駆使し、軍事力行使を示唆しては最終的に撤回する、というこのパターンは、これまでトランプ政権の行動において過度に繰り返されてきたことから、もはや戦術ではなく、米国が対イラン外交政策において自暴自棄に陥り、成す術もなく手を拱いている現実の表れと化しています。

アメリカは、シオニスト偽政権イスラエルと共同で行った5週間にわたる激しい攻撃をもってしても、自らが掲げた目標を1つも達成できていません。一部の西側軍事アナリストは、この攻撃を「湾岸戦争以来、地域で最も激しい爆撃」と評しています。イランは平和目的による核開発計画や弾道ミサイルのいずれも放棄しておらず、さらにはガザ、レバノン、イエメンの抵抗戦線への支援も停止していません。

アメリカ国防総省に突き付けられたこの厳しい現実は、米国の機密情報報告書にも反映されています。CIA米中央情報局および国防総省の推計によれば、イランは依然として戦前のミサイル能力の約70%を保持しています。最新世代のイラン製対艦ミサイルも試験に成功し、ホルモズ海峡に駐留する部隊に引き渡されています。

しかし、この均衡状態における転換点は、イランがトランプ政権の「最大限の圧力」政策の過去の犠牲国(南米ベネズエラなど)にはなかった切り札、即ちホルモズ海峡という重要な水路を掌握していることです。米国がイランに対して仕掛けた封鎖により、今やアメリカ自身が相互封鎖に巻き込まれています。

この重要な水路を通る石油タンカーの航行は事実上足止めされた格好であり、世界市場は日々新たな衝撃に揺れ動いています。ヨーロッパ産主要銘柄のブレント原油は1バレル110ドルを突破し、世界最大の金融街・米ウォール街のアナリストらは「世界の石油安全保障網の崩壊」を警告しています。米国にも急速に圧力がブーメランとなって戻ってきており、年間インフレ率3.8%、ガソリン価格1ガロン(約3.8リットル)当たり4ドルという異常事態により、中間選挙を控えたトランプ大統領は極めて脆弱な立場に追い込まれています。

こうした状況下におけるトランプ大統領の最近の譲歩は、アラブ同盟国の要求を尊重したためではなく、全面戦争における「確実な敗北」への恐怖に起因するものと捉える必要があります。ペルシャ湾に浮かぶハールク島占領やイランのウラン資源奪取を主張する米政府の好戦主義者らは、イランが断固たる報復なしに手を拱くだろう、などと単純に考えています。

しかし、現場に立つイランの指揮官らは「常に引き金に指をかけている」と強調し、いかなる新たな攻撃に対しても「迅速かつ断固とした、強力で広範囲にわたる」報復を行うと表明しています。今回、報復の危険にさらされているのは、決して地域にある米軍関係施設だけではありません。アメリカに同盟する地域諸国もまた、全面戦争の結果を恐れている旨を米国に明確に通達しています。

トランプ大統領自身が軍事行動の続行は「泥沼化」を招くだけだ、と結論づけていることは一考に値するものです。トランプ氏は当初、戦争は「4~5週間」で終わると高を括っていたのが、現在3ヶ月目に突入した現在でさえも、彼が約束した「勝利」は今なお達成されていません。また、デビッド・シェンカー(David Schenker)元米国務次官補もこの状況を「膠着状態」と表現し、トランプ大統領が全面戦争への復帰に「躊躇している」、と述べています。

今日地域で起こっていることは、壮大な戦略の失敗に他なりません。イランが力を持つという現実を認めようとせず、偽りの勝利宣言をしなければ危機からも逃れられないこの人物にとって、脅迫と撤退は1枚のコインの表裏一体と言えるものです。

しかし現実には、トランプ氏が幾度となく脅迫しては譲歩しようとも、他国に対しては奏功した影響力がイラン国民の意思には通用しないことが証明されています。イランがホルモズ海峡における地理的優位性と戦略的な抵抗力という切り札に依拠しているうちは、ホワイトハウスは地域における勢力均衡の新たな現状を受け入れない限り、この歴史的な膠着状態からは容易に脱却できないと思われます。

 


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