解説;イランに対する米国のジレンマ:戦争の回避か、合意の回避か?
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スコット・ベッセント米財務長官
アメリカ政府当局者の言動を分析すると、アメリカは事実上イランに関して今後の行動を決めかねており、戦争か合意かというジレンマに陥っていることが見て取れます。
米国とシオニスト政権イスラエルによる40日間の対イラン戦争開戦から6ヶ月が経過しました。双方の交戦勢力は40日後に停戦に合意はしたものの、これは持続せず、戦争の終結には至っていません。逆に、両当事者間で散発的な衝突が何度も発生しています。現在、合意に向けた動きは見られませんが、米国は、ベッセント財務長官が「経済的締め付け」と称する手段を用いて、経済危機を引き起こした後にイランを交渉のテーブルに着かせて自らの要求の強要するか、あるいはイランに対する新たな戦争を開始するかのいずれかを狙っています。
ここで重要な問題は、なぜアメリカは依然として戦争という選択肢が有効だと考えているのか、ということです。最も重要かつ根本的な回答は、アメリカの信頼性が問われることに関係しています。アメリカ人専門家のファリード・ザカリヤー氏は最近の論説において「イラン戦争は、超大国の信頼性がいかにして失われていくかということに関する大きな授業となった」とコメントしました。
国際体制の覇権国を自称するアメリカは、軍事力を以てのイランに対する主要な目標達成には至っておらず、ジョン・ミアシャイマー米シカゴ大学教授のような著名なアメリカの政治学者までもが「米国は対イラン戦争で敗北した」と明言しています。さらに、米国は経済的圧力によってイランを交渉のテーブルに着かせ、同国に自らの要求を強要することもできていません。
元UNSCOM国連大量破壊兵器廃棄特別委員会の主任査察官を務めた、スコット・リッター(Scott Ritter)氏は、「今日、世界中でアメリカがこの戦争に勝利したと信じている人は誰もいないし、アメリカが大規模で決定的な経済攻撃を実行する能力ありと信じる人もいない。これらはすべてドナルド・トランプ大統領の空想の世界の話でしかない」と述べています。
こうした状況下で、トランプ陣営は新たな戦争を通じてイランに対する勝利を収めようとしていますが、この問題はアメリカ国民を含め多くの人々から懐疑的に受け止められています。したがって、対イラン戦争開始についてアメリカの権力構造内では見解が一致しておらず、中にはアメリカの国益に反すると考える者さえ存在します。
もう一つの疑問は、なぜ米国はイランとの真の合意に向けて行動していないのか、ということです。実際、米国政府はイランとの交渉の可能性を排除していないものの、真の合意を求めてもいません。その最も重要な理由は、イランがウラン濃縮の完全停止、ウランの撤去、ホルモズ海峡を40日間戦争以前の状態に戻すといった、米国の不当かつ違法な要求に応じる意思がないことにあります。
言い換えれば、米国は交渉の場を通じてイランに自国の要求を押し付けようとしているものの、イラン側は米国の要求に屈しない自らの姿勢を証明しています。このような状況下では、現米国政府関係者の見解では、イランとの交渉はいずれも同国に対する妥協に終わると考えられます。
このことから、米国は戦争再開か、イランとの合意締結かの間で膠着状態に陥り、混乱に苦しめられている一方で、イランへの経済的圧力の強化を議題に掲げています。しかし問題は、イランが経済的圧力の強化を軍事行動とみなし、この圧力が続くならば軍事戦略を防衛から攻撃へと転換すると警告していることにあります。この警告はまた、米国がイランに対して常に用いてきた「あらゆる選択肢が検討対象だ」という脅迫がもはや色褪せ、イランが対米戦争を恐れていないことを意味しているのです。
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