イラン外相が考える安全保障
(last modified Sat, 13 Feb 2016 12:20:04 GMT )
2月 13, 2016 21:20 Asia/Tokyo
  • イラン外相が考える安全保障

アミーンザーデ解説員 宗派主義と過激主義は、地域や世界全体にとっての大きな脅威と見なされます。イランのザリーフ外務大臣はミュンヘン安全保障会議で、この事実を指摘し、「地域問題を解決するには、モデルを変化させ、現実を見ることが必要だ」としました。

第52回ミュンヘン安全保障会議は、12日金曜、地域や世界の危機の検討を目的に、世界各国の首脳や関係者が出席し、開幕しました。この会議で行われたザリーフ外相の演説では、世界の安全保障に関するイランの見解を表すいくつかの重要な点が指摘されました。

世界の安全保障の現在の問題は、テロと過激派です。現在世界はテロという名の共通の問題に直面しており、すべての国はこれに関して互いに協力すべきです。しかしながら、ここで、各国の関係が緊張する現在、こうした協力を行うことはできるのか?という疑問が生じています。

ザリーフ外相はこれに関して、演説の一部でこの問題について触れ、「我々はすべてにとってよりより将来に向けた協力のため、各国を互いから遠ざけるものは我々の地域にはないと信じている」と述べました。ザリーフ外相は、「我々は共通の脅威に直面しており、これは我々の運命を互いに結びつけていると考える」と述べました。これは西側の人々も直面している問題で、それは難民が押し寄せているためではなく、この国からシリアのテロリストに加わっている人々がいつかは帰国するためで、この帰国は今後すべての人にとって問題となるでしょう。

ザリーフ外相はペルシャ湾地域の問題についても、「我々は共通の要求を持っている。我々はペルシャ湾を安全で安定したものにし、石油の流れが保証され、すべての湾岸諸国の安定が確保されるようにしたい」と述べました。

ザリーフ外相は、各国は共通の脅威を有しているのと同じだけ、共通の機会も有しており、共通の脅威に対抗するために協力を行うべきだと考えています。ザリーフ外相は、「過去を脇にやるのであれば、共通の問題に関して協力を行うための新たなモデルを作ることができる。その中ではすべての国が共に勝ち、共に負ける。なぜなら現在世界の問題は勝ち負けの競争がない段階にきているからだ」としています。

安全保障は世界の問題であり、核の安全からテロ、過激派の否定、世界経済の安全保障などすべての分野を含みます。このため、共通の脅威に対抗するためには、モデルの変化と現実を見つめることが必要です。しかしながら今もサウジアラビアなどの国は自らの治安を、他者の情勢不安に関連付けて見ています。サウジアラビアはイエメンの人々に対する明らかな侵略を行っており、シリアの体制を転覆させるためにテロリストを支持しています。サウジアラビアの外相はこの動きを自国の外交政策の一環だとし、ミュンヘンの会議でそれを非現実的な空気を作ることで、正当化し、擁護しました。

こうした危機を乗り越えるための可能な唯一の選択肢は協力です。この協力はアジアからヨーロッパ、アフリカまでの幅広い範囲を含みうるものです。そうした場合、主権、領土保全、不干渉といった原則に基づき、対話に臨むことができるでしょう。この枠内で、集団の安全強化のために必要な信頼醸成に向けた措置を講じることができるのです。