西側の思想家が考える預言者ムハンマド(4)
コーラン第33章アル・アハザーブ章「部族同盟」、第45節と46節には次のようにあります。 「預言者よ、我々は汝を、証言を行う者、吉報を伝える者、忠告を与える者として遣わした。また、汝を神の命により、神へといざなう者、明るいともし火とした。」
ドイツの中東学者、アンネマリーシンメルは、中立な立場を取る西側の思想家のひとりです。彼女は、キリスト教徒は愚かにも、イスラム教徒を苦しめているとし、その理由について、次のように語っています。「預言者ムハンマドは、地上で最も成功した宗教をもたらした。預言者ムハンマドは、幸福の道を得ようとする人にとっての最高の模範である。さまざまな時代を通して、多くの人が預言者ムハンマドに敬意を抱き、彼を手本にしてきた。預言者ムハンマドは、永遠の人生の良き手本である」
シンメルは、神の預言者について、「光り輝く太陽」という表現を用い、「神の預言者ムハンマド」という著書の中で、次のように記しています。
「神の御光は特定の時代や場所に限られず、神は預言者を通して、自身の光を世界に照らせしめた。預言者ムハンマドは、目に見えない世界から現れ、創造世界に具現化されたともし火である。この光は、アーダムのあと、別の預言者たちの中にともされ、こうしてムハンマドのときに最高潮に達し、創造の広がりが彼の存在によって完成された」
シンメルは、その後、人々に次の事柄への注目を促しています。
「預言者は光り輝く地位を手にしたが、それでもなお、神の僕に留まった。預言者の人間としての姿は、彼の精神的な真理と調和が取れていた。神秘主義者たちは、その文学的な美しい表現の中で、ムハンマドのみ光をヒントにしており、彼の人間性あふれる特徴を賞賛している」