西側の思想家が考える預言者ムハンマド(10)
ロシアの小説家トルストイは、常に、自分の周囲の人たちに対し、イスラム教とその預言者であるムハンマドについて語っていました。
トルストイの医師であったマコビツキーは次のように記しています。
「1309年3月13日、トルストイと話していたとき、彼はこう言った。『ムハンマドは神の預言者として、常に、神のほかの預言者よりも優れた地位にある。ムハンマドは人間を貶めることもなければ、神の地位に高めることもなかった。彼は自分を神の地位に近づけたり、自分は神だと主張したりしていない。イスラム教徒は、神以外のものを崇拝の対象とは認めておらず、ムハンマドが彼らの預言者である』」
トルストイが預言者ムハンマドに魅了されていたことは、彼の著書である「預言者ムハンマド」の中でも明らかです。トルストイは、イスラムと預言者の言葉に関する研究を続け、特別な知識、情熱と興奮を見出しました。トルストイが預言者の伝承に関して記したメモは、彼のイスラムやその預言者への心からの敬愛を示しています。トルストイによれば、神や人間への愛情といった問題に関する預言者ムハンマドの言葉や教えは、肯定的で、美徳と公正、誠意に溢れています。イスラムの預言者が、中庸、怒りの抑制、人々への優しく柔和な態度、社会的な公正の遵守を強調していたことから、トルストイは預言者にますます関心を持つようになり、トルストイは、著書の中で次のように記しています。
「間違いなく、イスラムの預言者は、世界最大の改革者である。それも、人類社会に大きく貢献した改革者である。流血の野蛮な民を、醜い慣習から解き放ち、進歩と発展の道を切り開いたというだけで、彼は賞賛されるに十分である。普通の人間には、このような偉業を成し遂げ、好ましい結果を得ることなどできないだろう。そのため、イスラムの預言者ムハンマドは、あらゆる敬意を抱かれるのにふさわしい人物である」
トルストイは、長年に及ぶ研究ののち、このように語っています。
「私にとって、ムハンマドのような人間であることは、十字架を崇拝することよりも重要である。この比較の中で、私はムハンマドの宗教を選ぶ。明らかに、ムハンマドの宗教法は、英知や理性に調和することから、将来、世界中に広がっていくだろう。イスラムの預言者が呼びかけているのは、唯一の神への信仰と友好のみである」