アメリカ大統領の核戦争開始の権限に対する懸念
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トランプ大統領
アメリカ上院が、公聴会の中で、核戦争の指示に関するアメリカ大統領の権限について40年ぶりに議論しました。
この公聴会で、民主党のクリス・マーフィー議員は、「アメリカ大統領は、考えもなしに、核攻撃の指示を決断する恐れがある」と語りました。また、上院外交委員会のベン・カーディン議員は、トランプ大統領の北朝鮮に対する厳しい発言により、世論は大統領に核戦争開始の権限が与えられることを懸念しているとしました。
トランプ大統領は、この数ヶ月、「北朝鮮は、これ以上アメリカを脅迫しないほうがよい」、あるいは、「彼らは世界がこれまで目にしたこともないような怒りと炎に直面する」、また、「我々には北朝鮮を完全に消滅させる以外の選択肢はない」などの発言により、世界を驚かせています。特に、最後の発言は、世界各国の首脳や代表を前に、国連総会の演説で行われました。
とはいえ、トランプ大統領が政治や安全保障面で適切な手腕を持っていないことへの懸念は、昨年の選挙戦の中でもささやかれていました。当時、多くの政府・安全保障関係者が、政治専門家とともに、トランプ大統領のような人物は、政治的な経験がないため、大統領や軍の指揮官にはふさわしくないと語っていました。
トランプ大統領は、アメリカの核ミサイル発射コードを有するため、核戦争の指示を出すことが可能です。そしてこの指示は、6分以内に実行されます。アメリカの核兵器庫のほんの一部を使用するだけで、地球全体を破壊することができます。現在、アメリカの保有核兵器に対する懸念は、トランプ大統領の感情的で性急な行動により、高まっています。この懸念は、トランプ大統領が、ツイッターを利用して、通常の政治的な境界を超え、繰り返し矛盾したメッセージを送ることで、アメリカと他国の政治関係に多くの問題を作り出してきたことからくるものです。
現在、トランプ大統領は、アメリカ軍の力、特に核兵器に対してもツイッターと同じように行動し、腹を立てた場合に、核ミサイル発射コードを作動させるのではないかという懸念が存在します。そうなれば、世界は消滅の危険にさらされます。
とはいえ、一部のアメリカの軍関係者は、アメリカ大統領は、核兵器の利用に関して絶対的な権限を持つわけではないとしています。たとえば、アメリカ軍元戦略司令官のロバート・ケーラー氏は、「軍は、違法な指示に従うことを義務付けられていない」としています。とはいえ、危機的な状況になった際、トランプ大統領による核攻撃の指示を妨げることができるかどうかは、定かではないのです。