アメリカとサウジアラビアの核協定に対する懸念
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トランプ大統領とサルマン国王
アメリカとサウジアラビアが核協定を締結する可能性があり、世界、特に西アジアという重要な地域における核兵器拡散への懸念を招いています。
アメリカ・マサチューセッツ州出身のエド・マーキー民主党上院議員は、アメリカはサウジアラビアと核合意を締結すべきではないと強調し、トランプ政権は、サウジアラビアと、核兵器不拡散に関する合意を締結すべきだと訴えました。マーキー議員は、ティラーソン国務長官とペリー・エネルギー長官に書簡を送り、次のように強調しました。
「あらゆる合意は、サウジアラビアとアメリカの123協定や核不拡散の取り決めを含むものでなければならない」
この書簡にはまた、次のようにあります。
「しかし、サウジアラビアとの123協定を実現するためのアメリカの以前の努力は、サウジアラビアがウラン濃縮や核燃料の再処理を行わないこと、とした問題に反対したために失敗した」
アメリカのAEA123条では、他国とのあらゆる原子力関連の協力は、世界における核兵器不拡散の原則に基づいていなければならない、とされています。しかし、メディアでは、サウジアラビアはこれまで、アメリカとの原子力合意にこの項目が盛り込まれることを受け入れていないと伝えられています。また、サウジアラビアは、国内で核燃料を生産したり、ウランを再処理したりすることを訴えています。
サウジアラビアは、25年後までに、少なくとも16箇所の原発を建設しようとしています。現在、アメリカの政府や企業と、数十億ドルの予算を必要とする原発の建設に関して、協議を行っています。トランプ政権は、サウジアラビアのオイルマネーによる莫大な資金を利用する政策を続ける中で、サウジアラビアとの核合意に期待を寄せています。この合意は、サウジアラビアのアメリカへの依存を強めると共に、アメリカの企業に、新たな数千人の雇用を創出することになります。
こうした中、サウジアラビアの要請へのトランプ大統領の対応は、世界における核兵器不拡散の主張や、核活動に対するアメリカのダブルスタンダードを見極めるための試金石です。
イランは、過去10年、核燃料サイクルの利用のために、アメリカや、サウジアラビアをはじめとするその同盟国から圧力をかけられてきました。それにも拘わらず、アメリカとサウジアラビアは、核兵器不拡散を保障せずに、このような合意を締結しようとしています。
サウジアラビアとアメリカの核協定は、地域の兵器競争と、世界における核兵器の拡散につながるでしょう。サウジアラビアが核兵器に関心を持っていること、アメリカが、サウジアラビアのオイルマネーを必要としていることが、世界を危険にさらしており、アメリカの上院議員からも、懸念する声が上がっているのです。