中国とロシアに対するアメリカの新たな核の脅迫
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アメリカ軍の核戦略トップのジョン・ハイテン戦略軍司令官
アメリカ軍の核戦略トップのジョン・ハイテン戦略軍司令官が、「アメリカは、潜水艦発射弾道ミサイルを使用して中国とロシアに大きな損害を及ぼす力を有している」と語っています。
ハイテン司令官は、“相互確証破壊”に関する懸念を受け、「中国とロシアは、アメリカの原子力潜水艦の配備状況を把握していない」と語りました。相互確証破壊とは、核戦略構想のひとつで、核兵器を保有して対立する2カ国、あるいは数カ国が相手に対して核兵器を先制的に使用した場合、最終的に双方が必ず、核兵器によって完全に破壊しあうことを互いに確証するものです。
アメリカの軍関係者の今回の好戦的な発言は、アメリカの他国に対する敵対的、侵略的なアプローチを示す新たな例となっています。ハイテン司令官の発言は、アメリカとロシアや中国の間の緊張を緩和するどころか、ロシアと中国が、アメリカの核攻撃に対する抑止力として、核兵器をさらに開発しようとする動機を強化することになるでしょう。アメリカの核・ミサイル防衛政策を担当するロバート・スーファー国防次官補代理は次のように語っています。
「ロシアは、核攻撃が、たとえ限定的なものであったとしても、この国の目的を果たすことはなく、これが敵対の本質に根本的な変化をもたらし、想像もつかないような犠牲をもたらすことを知るべきだ」
アメリカのロシアに対する核の脅威を受け、ロシアによる核兵器使用の可能性をはっきりと示したプーチン大統領の最近の発言の後、アメリカの上院議員らがこの問題を懸念し、ティラーソン国務長官に対し、戦略的な能力についてロシアとの対話を始めるよう求めました。
とはいえプーチン大統領は、「ロシアは、核攻撃に対してのみ、核兵器を使用する。攻撃を目的にこの兵器を使用することはない」と述べています。
アメリカの最新の核戦略では、アメリカの安全保障に対する脅威として、中国、ロシア、北朝鮮、イランの名が挙げられています。またこの戦略では、「ロシアの新たな大陸間ミサイルシステムは、アメリカにとって最も深刻な脅威のひとつだ」とされています。核の専門家のグロンランド氏は、次のように語っています。
「アメリカのトランプ大統領は、向こう見ずな政策を進めることで、アメリカの安全保障を、現在も、また長期的にも弱めることになるだろう」
アメリカとロシアは、近年、緊張や対立を拡大しており、この2つの核大国の利益が対立することから、アメリカは常に、ロシアをアメリカに対する最大の脅威、あるいは第一の核の脅威として挙げています。
こうした中、プーチン大統領の強い反発により、現在、アメリカは受け身になっており、ハイテン司令官の発言も、こうした方向から分析することができるでしょう。