トランプ大統領による退役軍人長官の解任
(last modified Thu, 29 Mar 2018 10:14:43 GMT )
3月 29, 2018 19:14 Asia/Tokyo
  • トランプ大統領とシュルキン長官
    トランプ大統領とシュルキン長官

アメリカのトランプ大統領が、28日水曜夜、ツイッターで、退役軍人省のシュルキン長官を解任し、大統領の主治医のロニー・ジャクソン氏を後任に指名すると発表しました。

ジャクソン氏の就任は、議会の承認を得る必要があります。

トランプ大統領は、政権の幹部の人事に関して通常では考えられないようなアプローチを進めています。シュルキン退役軍人長官の解任は、公費を不正に使用した疑いがあるためとされていますが、トランプ大統領の最近の解任や後任の指名を見ると、それが、意見の対立や反対を理由に行われていることが分かります。

トランプ大統領は、今月22日、ツイッターで、マクマスター国家安全保障担当大統領補佐官を解任し、後任にボルトン元国連大使を指名しました。また、今月13日にもツイッターで、ティラーソン国務長官を解任し、CIAのポンペオ長官を後任に指名しています。トランプ大統領はこれについて次のように語っています。

「ティラーソン氏とは、イランとの核合意をはじめとするさまざまな問題について意見の対立があったが、ポンペオ氏とは見解が近く、常に意見が一致している」

自己中心的なことで知られるトランプ大統領は、基本的に、反対者の意見に耳を傾けることに耐えられません。これまでの関係者の解任理由も、常に、アメリカ政府は最適な人物を起用する必要があるというものでした。しかし、トランプ大統領にとって最適の人物とは、無条件に彼の指示に従う人のことです。明らかに、このような流れが続けば、政権内に、解任を恐れるがゆえの迷いや揺らぎが生まれるだけでなく、常に上層部が交代するために、省庁や政府機関の活動に混乱が生じることになります。

トランプ政権が発足してからの1年2ヶ月、多くの高官が辞任したり、解任されたりしてきました。また、トランプ大統領が、重要なポストにまったく経験を持たない人物を起用していることから、トランプ大統領の指名の基準を疑問視する声もあがっています。最近では、22歳のアメリカ人女優、キャロライン・サンシャインがホワイトハウスの報道アシスタントに起用されました。

これらのトランプ大統領の行動は、彼のこれまでの物議をかもす、さまざまな言動と共に、アメリカの政治家や高官の多くに、「彼は大統領にふさわしい人物ではない」とう考えを抱かせています。アメリカ問題の専門家、ミキエフ氏は、トランプ大統領は複雑な状況に置かれていると語っています。