EUの声明に対するロシアの批判
ロシアが対ロシア制裁に関するEUの外交政策の責任者の声明を不公正だとしました。ロシア外務省は18日金曜、声明を発表し、国際社会に対ロシア制裁を求めたEUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表の最近の立場を不公正なものだとしました。
ミールターヘル解説員
ロシア外務省の声明では、クリミア半島に関するモゲリーニ上級代表の声明は、驚きを引き起こすもので、この地域の200万人以上の住民を尊重するものではないとされています。ロシア外務省はさらに、EUに対して、エネルギー、水、食料、運輸の分野での制裁によるクリミアの住民の権利侵害に注目を寄せるよう求めました。モゲリーニ上級代表は、18日、クリミア半島のロシア併合2周年に際し、声明を発表し、EUの28カ国の外相の代表として、国際社会による対ロシア制裁を求めました。モゲリーニ上級代表の声明では、クリミアのロシア併合が非難されています。同上級代表は、「EUは今も、クリミア併合が国際法規に違反し、世界の治安を脅かすものだと考えている」としています。アメリカもまた最近、「ロシアに対する制裁はクリミア半島がウクライナに返還されたときに初めて解除される」と強調しました。これに関して、アメリカ国務省のカービー報道官は16日水曜、「対ロシア制裁は、ロシアによるクリミア占領が続く限り続けられる」と強調しました。ロシアは2014年3月18日、クリミア半島で行なわれた住民投票で、住民の大半がロシア併合を支持したことからこの地域を自国に併合しました。
制裁継続に基づく西側の対ロシア政策は、ロシアが西側の要求を受け入れるまで継続されると見られています。こうした方向で、最近のモゲリーニ上級代表の声明とEUの制裁継続に向けた彼女の要請は、EUがアメリカと共通の姿勢をとっているものとみることができます。注目に値する点は、アメリカとEUが最近、クリミア問題を強調し、クリミアのウクライナへの返還を要請していることです。
カナダのディオン外相も、ウクライナ問題により対ロシア制裁を拡大したと表明しました。ディオン外相は、このカナダの措置は、ウクライナ危機を外交的に解決するための国際的な努力を支持する中でとられていると述べています。このため、ディオン外相は、対ロシア制裁の拡大の理由を、ウクライナ問題の政治的解決を受け入れさせるためにロシアに圧力をかけることだとしています。こうした中、ロシアのここ2年の行動は、ウクライナ危機に関する解決策を踏みにじるようなものではないことを示しています。実際、西側はおよそ2年前から、様々な分野でロシアに対する敵対行動を推し進め、ロシアに対する様々な制限行使に向け全面的な措置を講じてきました。こうした措置は政治、外交、経済、貿易、安全保障、軍事といった面でとられています。西側の経済面での目的は、このような制裁の行使と、ロシア経済の弱体化により、最終的にロシア政府にウクライナ問題の解決に関する西側の条件をのませようとするものです。こうした中、ウクライナ問題をクリミア半島を再度手に入れるための黄金の機会として利用したロシアにとって、西側の要請に屈することはできません。モゲリーニ上級代表の最近の声明と対ロシア制裁の拡大に向けた要請、他の国をこの制裁に加わらせようとする呼びかけは、EUとロシアの敵対をあおるだけであり、両者の関係をこれまで以上に緊張に向かわせることになるでしょう。