国際社会の核合意の維持に向けた意志
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トランプ大統領
アメリカの大統領が、核合意の修正を巡って決定を下す期限の5月12日が近づく中、イランとこの合意を締結した6カ国の政府や高官の、この合意の維持を求める声が高まっています。
ロシアやEUの関係者は、核合意を維持する必要性を強調しました。
ロシアのリャブコフ外務次官は、25日水曜、「核合意の全面的な強化、現在の形でそれを実施する下地の整備は、ロシアにとって、不可欠かつ不変の原則だ」と発表しました。また、ロシアのチゾフEU大使も、いかなる国も、6カ国側から立場を表明する権利はないとし、「アメリカとヨーロッパ諸国は、核合意の内容を変更することを許されていない」と述べました。
EUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は、25日、アメリカとフランスの大統領の会談で、イランとの新たな合意と言う問題が提起されたことに対し、「我々は、現在、イランと一つの合意を締結しており、それは成功例で、維持されるべきだ」と強調しました。
フランスのマクロン大統領も、「フランスが核合意から離脱することはない」と表明しました。
マクロン大統領
イランと6カ国の核合意は、2016年1月から実施されていますが、アメリカ政府もこの合意の一員であるはずが、その実施に違反し続けています。現在、トランプ大統領は、真剣に核合意からの離脱に言及しています。これは、イランの強い反発だけでなく、国際社会のマイナスの反応も招いています。トランプ大統領は、他の合意の締結国とは異なり、核合意の維持や実施に関して一方的かつ独断的な立場を取り、核合意には盛り込まれていない、違法で理不尽な要求を訴えています。そしてこの中で、ヨーロッパの同盟国に対し、イランにアメリカの要求をのませるために圧力をかけさせようとしています。政治専門家のソコロスキー氏は次のように語っています。
「アメリカ大統領は、核合意離脱と地域でのイランとの対抗という新しいアプローチの中で、明白な戦略や現実的な目的を有していない」
ヨーロッパも、イランは核合意のすべての取り決めを履行していると認め、トランプ大統領のアプローチは容認されないとしています。とはいえ、イギリス、フランス、ドイツは、一方でトランプ大統領から圧力をかけられ、また一方で、核合意を維持するために、実際、イランのミサイル計画や地域での活動を巡り、イランに圧力をかけることを求めるアメリカの要求に従いながら、核合意の維持を訴えています。ヨーロッパの関係者は、「トランプ大統領が核合意に残留する可能性は低い」としています。フランスのマクロン大統領は、トランプ大統領が核合意を離脱する可能性について、次のように語りました。
「アメリカ大統領がどのような決定を下すかは分からないが、恐らく、国内の問題を理由に、イランとの核合意から離脱するだろう」
さまざまな国際機関や各国の関係者による発言や立場は、国際社会が、核合意にアメリカの思い通りの修正が加えられるか、それともアメリカがこの合意を離脱するかだとする、トランプ大統領の非論理的なアプローチに反対していることを示しています。このように、アメリカは再び、国際社会の意志に反し、一方的に、自分たちの要求や見解を残りの国に押し付けようとしています。ヨーロッパの同盟国でさえも、このようなトランプ大統領のアプローチは、オバマ政権時代の国連安保理決議2231に基づくアメリカの取り決めにも、各国による取り決めの受け入れを定めた国際法にも明らかに違反していると認めているのです。