西側諸国の高官、トランプ大統領の核合意への対応を巡って発言
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核合意
アメリカのトランプ大統領が核合意に関して決定を発表するまで1週間を切る中で、トランプ大統領をこの国際合意に留まらせるための発言が続いています。
イギリスのジョンソン外務大臣は、アメリカ政府の高官と話し合い、アメリカを核合意に留まらせるため、ワシントンを訪問しています。
ジョンソン外相は、ニューヨークタイムズの記事の中で、この国際合意からの離脱は大きな過ちだとし、「核合意以外の選択肢は、これよりも悪いものになる」と語りました。

さらに、「核合意は修正することができる。イギリスは、この問題について、アメリカ、フランス、ドイツと協力する」と語りました。
こうした中、アメリカ政府は声明の中で、「トランプ大統領とイギリスのメイ首相が電話で連絡を取り合い、この中で話し合われた重要な問題のひとつが、核合意だった」と発表しました。
フランスのマクロン大統領も、6日日曜、フランスの新聞のインタビューで、「トランプ大統領に、彼の中東政策と核合意からの離脱はダブルスタンダードに陥っていると伝えた」と語りました。

アメリカやヨーロッパの元政府関係者も、核合意のゆくえに対して懸念を表明しています。
ドイツのガブリエル元外務大臣は、週刊誌シュピーゲルのインタビューで、アメリカ政府が核合意を離脱した場合の結果について警告し、「この最悪のシナリオが起こるのを阻止すべきだ」と語りました。
ルクセンブルクのアセルボーン外務大臣も、同様の立場を取り、「トランプ大統領は、イランとの核合意を破棄すべきではない」と語りました。
アメリカでも、モニツ元エネルギー長官が、CNNのインタビューで、「トランプ大統領が、核合意の離脱という大きな過ちを犯せば、実態調査のシステムは崩れ、アメリカとその同盟国の間に亀裂が生まれるだろう」と述べました。
こうした中、AP通信は、「トランプ大統領が核合意離脱を決定した場合、多国籍企業の数十億ドルの投資が危険に晒されることになる」と報じました。
この中で、アメリカ駐在のキム・ダロク・イギリス大使は、「トランプ大統領の核合意に関する見解は明白だが、アメリカ政府はまだ、この問題に関して最終的に決定を下すことができていない」と述べました。
一方、イラン政府は、最近、アメリカとヨーロッパで見られている核合意を巡る混乱の中で、改めて、明白なメッセージを提示しました。
イランのザリーフ外務大臣は、スウェーデンの外務省関係者と会談し、「ヨーロッパは、核合意の維持に向け、アメリカに取り決めを遵守させるための努力を拡大すべきだ」と語りました。
