G7 サミット
(last modified Fri, 08 Jun 2018 10:01:30 GMT )
6月 08, 2018 19:01 Asia/Tokyo
  • G7 サミット

G7主要7カ国の首脳会議が、8日金曜から2日間に渡り、カナダのケベックで開催されます。G7は、ドイツ、フランス、イタリア、日本、イギリス、アメリカ、カナダの7カ国です。これらの国の首脳と共に、EUの高官も会議に出席します。

今回のG7サミットの議題は、性の平等、女性の地位の向上、世界の平和と安全保障、気候変動といった問題になっています。こうした中、ヨーロッパとアメリカが、核合意と追加関税という2つの重要な問題を巡って対立していることから、これらの問題は、他の問題以上に、今回の会議に影響を及ぼし、物別れに終わる可能性があると見られています。

ドイツのメルケル首相は、アメリカとの対立は深刻だとし、「G7首脳会議では、特に、イランと輸入品の追加関税に関して、アメリカのトランプ大統領と話し合うことになる」と語りました。アメリカのトランプ大統領が、5月8日に核合意からの離脱と対イラン制裁の復活を発表したことにより、G7のヨーロッパ諸国、すなわちドイツ、フランス、イギリス、イタリアは懸念を高めています。ヨーロッパ諸国は、この措置を受け、「アメリカの制裁による圧力を減らすことにより、核合意の維持に向けて最大限の努力を行う」と発表しました。また、イランが核合意を離脱する可能性と、それが地域や世界の安全保障にマイナスの影響を及ぼすことを懸念しています。

トランプ大統領の核合意を巡る利己的な政策は、ヨーロッパやカナダの強い批判を浴びています。この中で、フランスのマクロン大統領とカナダのトルドー首相は、会談の後、強力な多極主義政策への支持を強調しました。フランス大統領府は、「イランとの核合意を非難するか、イランが取り決めを遵守していないと主張されるような最終声明は受け入れない」と発表しました。フランス政府は、G7の他の6カ国は、パリ協定に関するアメリカの立場を変更することはできないと強調し、「核合意に関しても同じことが言える」としました。そのため、マクロン大統領とトルドー首相は、ケベックの首脳会議の終了後の予想されるシナリオについて合意に至りました。

今年のG7サミットでは、ヨーロッパやカナダに大きな損失をもたらす、トランプ大統領による輸入品への追加関税も、アメリカと他の国々が対立する問題となっています。トランプ大統領は、アメリカが輸入するアルミニウム製品と鉄鋼製品に対する追加関税を発表し、G7からの強い反発を招きました。ヨーロッパは7月から、アメリカから輸入する一部の製品への追加関税を導入し、カナダも同様の政策を進めています。またヨーロッパは、このアメリカの措置について、WTO世界貿易機関に提訴しました。

こうしたことから、カナダのG7サミットでは、昨年のイタリアでのサミットの状況が繰り返されると見られています。昨年のサミットでは、パリ協定とこの協定からのアメリカの離脱を巡ってG7とアメリカが対立しました。今年もまた、核合意と追加関税を巡り、G7の間に亀裂が起こることになると予想されています。

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