国連、「カショギ氏殺害事件に関するサウジ判決は、法的・倫理的な正当性なし」
超法規的な死刑問題を担当する国連のアグネス・カラマード特別報告者が、サウジアラビアの反体制派ジャーナリスト、ジャマール・カショギ氏殺害事件に関する同国の裁判所の判決を、合法性に欠けるものだとしました。
サウジアラビア検察庁は7日月曜、公示を発表し、「カショギ氏殺害事件は、遺族の宥恕により私的な側面はもはやなくなり、この犯罪の公的な側面において、この事件にかかわった被告人のうち5人には20年、1人には7年、そして残りの者には10年の禁固刑がそれぞれ言い渡された」とし、これを執行必須の最終的な判決としました。
カラマード特別報告者は同日夜、カショギ氏殺害事件の審理・結審プロセスおよび判決を、正義を嘲笑したに等しいものだとし、「カショギ氏殺害事件の被告人らの裁判プロセスには、公正さや正義、透明性が欠如している」と語りました。
また、カショギ氏の婚約者だったハディジェ・ジェンギズさんも、「この事件に関する判決は馬鹿げている」としています。
なお、サウジアラビア在住のカショギ氏の子弟らは、事件以来サウジアラビア国外への出国を禁じられ、今年5月22日、圧力をかけられた上でカショギ氏の殺害犯らを宥恕しました。
カショギ氏は2018年10月2日、トルコ・イスタンブールにあるサウジアラビア領事館内で、サウジ本国から派遣されてきた要員らにより惨殺されました。
カショギ氏は、サウジアラビア政府が訴追する指名手配者リストに掲載されており、逮捕される恐れから国外に在住していました。
イギリスの新聞ガーディアンは(最近の)記事において、「この数年間にサウジアラビアが見せている行動のあり方は、ある明白なパターンに沿ったものである。同国でムハンマド皇太子が就任して政権を掌握して以来、サウジ政府はあらゆる反対派を残忍な方法で弾圧している」と報じています。
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