国連元特別報告者、「集団墓地は400年にわたるカナダ先住民文化虐殺の氷山の一角」
(last modified Sun, 11 Jul 2021 08:47:32 GMT )
7月 11, 2021 17:47 Asia/Tokyo
  • カナダ先住民子供
    カナダ先住民子供

国連特別報告者を歴任したアルフレッド=モーリス・デ・ゼイヤス氏が、「カナダでの集団墓地の発見は、同国での先住民族に対する圧制と犯罪の氷山の一角でしかない」とし、「カナダ当局は、これらの犯罪について謝罪し、先住民の尊厳を回復するために明確な措置を講じる必要がある」と語りました。

ファールス通信によりますと、ゼイヤス氏は、最近カナダ国内で多くの論争を引き起こし、同国先住民の怒りを買い感情を逆なですることになった、先住民の子供たちの集団墓地の発見という大惨事に関して、「カナダ先住民の子供たちの抑圧をめぐる論争が白熱しているにもかかわらず、差別されてきた北米の先住民コミュニティを活性化するための措置は全く講じられていない」と述べています。

また、「カナダの寄宿学校での集団墓地の発見は、大量虐殺の一部であり、先住民の大量虐殺および、彼らの文化を故意に破壊するために400年取られてきた手法を示す一部である」とし、「カナダの寄宿学校での犯罪と虐待に関する、国家規模および国際的な調査が必要だ」としました。

ここ数週間、カナダのいくつかの寄宿学校の敷地内で、数百人もの子供たちの遺体を含む複数の集団墓地が発見されました。

 

19世紀から20世紀の間、カナダでは15万人の先住民の子どもたちが親元から強制的に離され、白人社会へ「同化」させるために寄宿学校に入れられました。自分たちの言葉や文化を禁止された子どもたちは、その多くが栄養失調になるなど十分な世話をされなかったり、虐待の対象になるなどしました。そのうち少なくとも4000人が、病気、ネグレクト、虐待、事故などで命を落としています。

カナダ政府は2008年、これらの学校において暴力や性的虐待が横行していたことを、謝罪とともに認めました。

カナダ先住民社会の指導者らは今年5月以降、3回にわたって子どもたちの無記名の墓が発見されたニュースを発信してきました。一方で、同国のトルドー首相はこの醜聞を切り抜けようと、批判の矛先をかわす盾としてキリスト教会を利用しました。

しばらく前にもカナダ先住民族の長の1人が、カトリック教会運営の先住民の子どもを集めた寄宿学校跡で、墓標のない集団墓から215人の遺骨が発見された事実を強調しています。ブリティッシュコロンビア州カムループスにあったこの学校は、1800~1969年まで使用されていました。

さらに、別の先住民族指導者も先日、サスカチュワン州カペル川沿いのキリスト教区で1898~1997年の間運営されていた学校跡において、新たに751人の遺骨が発見されたことを明らかにしています。

 

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