May 12, 2016 21:30 Asia/Tokyo
  • 中国の艦船の南シナ海への派遣

中国が領有権を主張する南シナ海の地域にアメリカの艦船が近づいたことを受け、中国政府は、この地域に戦闘機と艦艇を派遣しました。

IRIBヴァガーリー解説員

中国国防省は、「アメリカのミサイル駆逐艦USSウィリアムPローレンスが南シナ海に接近したことを受け、中国はこの地域に戦闘機2機と艦艇3隻を派遣し、アメリカの艦船に地域を撤退するよう警告した」と発表しました。中国は、アメリカの艦船が許可なくこの海域に侵入したことを、非常に挑発的な行動だとしています。

アメリカ国防総省のビル・アーバン報道官は、最近、「中国が実効支配する12カイリ内にイージス駆逐艦ウィリアム・P・ローレンスを派遣し、航行の自由作戦を実施した」と語りました。中国外務省の報道官は、中国の許可なくアメリカの艦船がこの地域に接近したことを、違法行為だとしました。同報道官は、このアメリカの行為は、中国の安全と領土保全を脅かし、地域の平和と安定を損なうものだとしています。また、「中国は、領土保全と治安維持のための努力を続ける」と強調しました。

中国共産党の機関紙「人民日報」は、「アメリカには南シナ海に関して決定を下す資格はない」と伝えました。この新聞は、アメリカやその他の西側諸国、日本におる南シナ海問題への干渉を批判し、「これらの国が、自分たちの見解によってこの地域の状況を変えることができると考えているのなら、それは大きな間違いだ」としました。さらに、国際的な仲介、あるいは西側やフィリピン、日本によるいかなる行動によっても、南シナ海の領土保全に対する中国の強い決意は揺るがされることはないとしました。

フィリピンは、2013年初め、南シナ海での中国との領有権を巡る対立について、国際仲裁裁判所に提訴しました。人民日報は、「アメリカは、この地域に緊張を広め、中国に対抗するために全力を尽くしており、日本とフィリピンを支援することで、状況を悪化させている」としています。

南シナ海は重要な航路と見なされており、豊かな天然資源に恵まれています。中国と東南アジア諸国は、常に、この海域や島々の領有権を巡って対立しており、時折、緊張が生じています。そのため中国は、南シナ海で軍事力を強化しようとしています。最近も、中国海軍が、南シナ海で、最新の軍備を用いた定例軍事訓練を行いました。この訓練では、敵の包囲を崩すためのシミュレーションなどが実施されました。

こうした中、中国は、南シナ海での脅迫についてフィリピンに警告しました。中国外務省の報道官は、「中国は小国を威嚇するつもりはないが、南シナ海に関する脅迫を見過ごすことはない」としています。さらに、中国は平和的な開発を行っており、防衛の性質を持つ政策のみを追求するとしています。また、「中国は、協議による対立の解消や近隣諸国との良好な関係の確立という自らの道を続けていく」としました。

中国外務省の報道官は、「1949年の中華人民共和国の建国以来、この国は14の近隣諸国のうち、12カ国と、国際法規に基づき、歴史的な事実を尊重した上で、協議によって国境を巡る問題を解決してきた」と述べました。

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