ルーマニアでのミサイル防衛運用開始
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アメリカとNATO北大西洋条約機構のミサイル防衛システムが、12日木曜、ブカレストの南西180キロのところにあるデベゼル基地で、NATO事務局長などのNATO関係者、ルーマニア、アメリカの政府関係者の立会いのもと、運用を開始しました。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
May 13, 2016 21:56 Asia/Tokyo
  • ルーマニアでのミサイル防衛運用開始

アメリカとNATO北大西洋条約機構のミサイル防衛システムが、12日木曜、ブカレストの南西180キロのところにあるデベゼル基地で、NATO事務局長などのNATO関係者、ルーマニア、アメリカの政府関係者の立会いのもと、運用を開始しました。

ミールターヘル解説員

ルーマニアのヨハニス大統領は、12日木曜夕方、NATOのストルテンベルグ事務局長と会談した後、「ルーマニア西部のNATOのミサイル配備はどの国を狙ったものでもない」とし、「ルーマニアは黒海におけるNATOの恒久的な駐留を求めている」としました。さらに、NATOの加盟国に対し、更なる協力を求めました。

ルーマニアは現在、東ヨーロッパと黒海においてNATOのさらなる駐留に向け、必要な下地を整えようとしているようです。このようなアプローチは、ロシアの不満を招いています。実際、ルーマニアはNATOの駐留強化に向け、2つの効果的な措置をとっています。一つはルーマニアにおけるミサイル防衛システムの配備に関するアメリカ、NATOとの合意であり、これは2016年5月に実施されました。ロシアは、このミサイルの配備は、1987年の中距離核戦力全廃条約に違反するものだとしています。この条約ではロシアとアメリカによるヨーロッパでの中距離核ミサイルの配備が禁じられています。ロシアの関係者によれば、ルーマニアにおけるアメリカのミサイルシステムは、巡航ミサイルを発射することもでき、このため、この基地の運用開始は、1987年の条約への違反に相当するということです。

同時にNATOは、東ヨーロッパにおける軍事駐留の強化の枠内で、現在、黒海の駐留強化に向け、真剣な措置を開始しています。この方向で、ルーマニア政府は、黒海にこの組織の艦隊を創設するため、NATOと協議を行っています。ルーマニアは、2004年にNATOに加盟した東ヨーロッパの新たなメンバーであり、アメリカ、ドイツ、イタリア、トルコの海軍が黒海に駐留するNATOの艦隊に参加することを求めています。この艦隊は、軍事的な組織の点で、2年前から黒海に駐留しているNATOの一時的な艦隊に類似しています。この艦隊の構成は、ブルガリア、トルコ、ルーマニアに最終決定権があります。

ルーマニアにおけるNATO駐留強化の問題は、とくに東ヨーロッパでの最近の情勢、ウクライナ問題とその拡大後、注目を集めています。ルーマニアは、ウクライナの近隣諸国であると共に、黒海の長い海岸線を接しており、この海域において重要な国と見なされています。とはいえ、ウクライナ問題の発生後、ルーマニアはNATO、特にアメリカと協力の拡大に向け大規模な努力を行い、NATOとの複数の演習の実施は、こうした協力の重要な例と見なされます。NATOは特にウクライナ危機の拡大後、東ヨーロッパの国々に軍事予算を増加させ、これらの国におけるNATO軍の駐留構造を変え、再編することで、その国の軍隊、さらにNATO軍の強化を図ろうとしています。こうした中、こうしたNATOのアプローチはロシアの否定的な反応に直面しています。実際、お互いを悪く見ていることから、ロシアとNATOの対立とNATOによる挑発行為の継続は、ロシアとNATOの対立を高め、この問題はヨーロッパの安全保障の展望を暗く、曖昧なものにしているのです。