視点
核合意に関する西側4カ国首脳のはぐらかしの表明と専門家の見解
米英仏独の4カ国の首脳らが30日土曜、イタリア・ローマでのG20・主要20カ国地域サミットの傍ら会談し、イランや核問題について協議した後に共同声明を発表しました。
これら4カ国の首脳らはイランに対し、善意による核協議の再開を求めており、それにより同国とアメリカの核合意復帰に向けた下地が整うことを望んでいます。
しかしこの声明においては、アメリカの一方的な核合意離脱や、ヨーロッパがイランに対し果たすべき自らの義務履行に消極的な態度をとり続けていることには触れられておらず、「我々は、イランが決して核兵器を開発または獲得できないという確証を得る決意を表明するとともに、これに関して我々の高まる懸念を共有した」と主張されています。
イランとEUが11月にオーストリア・ウィーン協議の第7回会合を開催することについて協議していた最中に出された米および英独仏の共同声明は、イランを軍事目的の核活動で非難することによって心理的でプロパガンダ的な雰囲気を作り出そうという西側の思惑を示しています。
これら4カ国の思惑は、今後の会談で野心的な要求、すなわち核関連制限の延長と拡大、および核合意外の問題とされる、イランのミサイル能力と地域政策の問題をねじ込むことにあります。
バイデン米大統領は、アメリカが核合意の現在の行き詰まりの原因であることを忘れているようです。
トランプ前大統領は、2018年5月に米国が一方的に核合意から離脱することを表明し、イランに自らの違法な要求を強制し呑ませるために、イランに対する最大限の圧力行使キャンペーンの一環として、前例のない最も厳しいレベルの制裁を課し、核合意維持に向けたあらゆる計画に反対しました。
バイデン大統領は、トランプ氏が核合意離脱により過ちを犯し、米国の国益に反する行動を起こし、世界で米国をさらに孤立させたと認めました。しかし実際には、バイデン氏は2021年1月の就任以来、イランに対し最大限の圧力をかける政策を追求し続けており、核合意に違反し離脱したのはどの国なのかには言及せず、アメリカの核合意復帰はイランの行動次第だとしています。バイデン政権はさらに、対イラン追加制裁をも行使しています。
ヨーロッパも事実上、2018年5月にアメリカが一方的に核合意から離脱した後、この合意に定められた自らの責務履行や、米国の一方的な対イラン制裁の影響の緩和に向けた効果的な行動をとっておらず、彼らの核合意への参加は形骸的なものにとどまり、いわばイランに対する借りがある状態となっています。欧州トロイカと呼ばれる英独仏も、米国の圧力と必要な意志の欠如のために、その義務、特に欧州がイランとの貿易を継続するために設立した貿易取引支援機関・INSTEXの効果的な実施を渋ってきました。
イランは、核合意内の規定に従った5つの段階を踏み、ヨーロッパ諸国の約束不履行への対抗措置として、この合意内の自らの責務履行を段階的に縮小し、ウラン備蓄量の増量、濃縮レベルの引き上げ、最新鋭の遠心分離機の稼動開始を含む、核合意外の措置に踏み切りました。加えて、国会の決議に沿って追加議定書の自主的な実施を一時停止しています。しかし、これらはすべて、あくまでも米国の敵対的な行動と、ヨーロッパ側の責務不履行に対する対抗措置にすぎません。
イランの政治評論家ハサン・ベヘシュティプール氏は、「ヨーロッパは核合意を見て見ぬふりすることはできない。彼らは成果にいたることを求めているが、主な問題は米国だ」と語りました。
現在、ボールは西側にあり、彼らが無意味な時間稼ぎや核合意に反する不当な要求を提起するのではなく、核合意復活や制裁解除を目的としたウィーン協議を再開する番となっています。米国の一方的な対イラン制裁が解除された場合、イランが自らの責務の完全実施に復帰する準備が整うことは明らかなのです。
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