米のアジア系金メダリストが、人種差別で催涙スプレーかけられたと告白
オリンピック米体操女子の金メダリスト、スニ・リーさんが、カリフォルニア州ロサンゼルスで人種差別の暴言を浴びせられ、催涙スプレーをかけられる被害に遭ったことを告白しました。
米CNNによりますと、リーさんは東南アジアの少数民族モン族系米国人としてオリンピック初出場を果たし、金メダルを獲得した選手ですが、今回の被害について、ポップカルチャー情報サイト、ポップシュガーのインタビューで明らかにしました。
リーさんによると、テレビ番組撮影のために滞在していたロサンゼルスで、アジア系女性の友人たちと外出して乗車待ちをしていたところ、通りかかった車の中の数人から人種差別的な暴言を浴びせられ、「もといた所に帰れ」と怒鳴られたということです。
続いて車の中の1人がリーさんの腕に催涙スプレーを浴びせ、車はそのまま走り去りました。
リーさんはCNNの取材に対し、この出来事が10月に起きたことを確認しました。
ポップシュガーのインタビューの中でリーさんは、「ものすごく腹が立ったけれど、相手が逃げてしまったので私にできることは何もなかった」と説明、「私は相手に対して何もしなかった。それに評判を考えると、自分をトラブルに巻き込むようなことはしたくなかったのでとてもつらかった。ただそのままにするしかなかった」と振り返りました。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、アジア系米国人に対する暴行などの被害は激増しています。アジア系に対する人種差別の統計をまとめている団体によると、今年1~6月の半年間だけで少なくとも4533件の事案が報告されています。
2020年3月19日~21年6月30日にかけて同団体に報告された事案は、9000件を超えています。
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