国連、「コンテナ不足による物流混乱が世界経済の回復に影響」
国連が、「世界的なコンテナ不足による物流網の混乱は、世界経済の回復に影響する」との見解を示しました。
NHKが23日火曜、報じたところによりますと、世界的なコンテナ不足を背景にした物流網の混乱の影響が広がる中、国連はコンテナ船の運賃の高騰が続けば2023年までに世界の輸入価格を11%ほど押し上げ、コロナ禍からの回復に影響しかねないとする報告書をまとめました。
UNCTAD・国連貿易開発会議は今月18日、海上輸送に関する報告書を公表し、この中で「コンテナ運賃の高騰は去年の後半から始まり、コンテナだけでなく労働者の不足もあって各地の港が混雑し輸送の遅れにつながっている」との見解を示しています。
そのうえで、コンテナ運賃の高騰が続けば2023年までに世界の輸入価格が10.6%上昇し、輸入品の価格上昇を通じて消費者物価を1.5%押し上げる可能性があると試算した上で、「コロナ禍からの世界経済の回復に影響しかねない」とし、特に発展途上国のうち海上輸送での輸入に頼っている島国が最も大きな影響を受け、輸入価格の上昇幅は24.2%に上ると指摘しました。
レベッカ・グリンスパンUNCTAD事務局長は「運賃の高騰は海上輸送が正常に戻るまで貿易に大きな影響を与え、特に発展途上国の社会経済の回復の妨げになるだろう」と警告するとともに、「UNCTADとしてコンテナ船の運航会社や荷主、港湾当局などが情報を共有し輸送の効率性を高めていくべきだ」との考え方を示しました。
世界の物流網をめぐっては経済活動の再開に伴って中国や東南アジアから欧米などに運ばれる荷物が急増し、世界的なコンテナ不足や運賃の高騰を招いています。
ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。
https://twitter.com/parstodayj