イランと5カ国による核合意復活交渉があす29日に実施
アメリカの制裁の解除を目指しての核合意復活交渉があす29日月曜、オーストリア・ウィーンにてイランと5カ国グループ(英独仏中ロ)により開催されます。
この協議におけるイランの最も重要な要求は、検証確認可能な形での各種制裁の解除です。
バーゲリーキャニー外務次官を団長とするイラン代表団は、すでにウィーン入りしており、この協議に参加する一部の国の代表者らと27日土曜、協議を行っています。
イラン代表団は28日日曜、中国とロシアの代表団や、エンリケ・モラ欧州対外行動庁事務次長らと専門家レベル、または二者、三者協議を行う予定です。
米国の核合意復帰を目的とした、イランと5カ国グループとの間の交渉の新ラウンド開始を目前に、アメリカはイランに対する脅威を増大させました。
ロバート・マレー米国務省イラン担当特別代表は27日土曜、イランへの更なる圧力強化を示唆するとともに、「イランが核開発計画の迅速化のために、核合意復活交渉を口実として利用したいのであれば、アメリカもイランにさらなる圧力をかけるだろう」として脅迫しました。
米国が一方的かつ違法に2018年5月8日に核合意から離脱したことを受け、イランはこの合意の他の当事国による義務履行という条件で核合意を維持しようとしましたが、ヨーロッパは自らが約束した義務を履行しませんでした。
核合意とは?
核合意は、正式名称をJCPOA「包括的共同行動計画」と称し、2015年7月にイランとその相手側の6カ国グループ(国連安保理常任理事国にドイツを加えた国々)の間で成立し、2016年1月から実施されている多国間国際合意です。
この合意の主な内容は、イランが濃縮ウランや遠心分離機を大幅に削減し、これをIAEA国際原子力機関が確認した後、その見返りとして対イラン経済制裁を段階的に解除する、とされていますす。
しかし、ドナルド・トランプ米前大統領は2018年5月、この国際合意に一方的に違反し、この合意内におけるアメリカの参加を打ち切って、イラン国民に対する最大限の圧力行使を目的に、経済テロを実施しました。
イランは、アメリカのこうした一方的な核合意離脱に伴い、この合意に残留したそのほかの相手国の責務実施を条件に、核合意の維持存続に努めてきました。しかし、ヨーロッパ諸国は、この合意の維持に向けて約束していた現実的な措置の実施において、全く成果を挙げることはできませんでした。
このような状況の中で、イランは2019年5月8日、米国の核合意離脱から満1年の節目にあたり、核合意の第26条と36条に基づき、イランの義務と権利のバランスをとるためにこの合意内の責務履行の段階的な縮小に踏み切ると発表しました。
核合意の第26条と36条によれば、この合意の相手国がその責務を遵守・実施しない場合にはイランは自らの権利と義務のバランスをとるべく、自らの責務履行を段階的に縮小する権利を有しています。
バイデン米現政権の関係者らはこの数ヶ月間、イランに対する最大限の圧力行使政策の失敗を繰り返し認めており、アメリカを核合意に復帰させる意思があると表明していますが、これまでそれに必要な措置の実施を渋っています。
イランは、責任を受容する国としてこれまでに何度も、核合意に違反した側がアメリカであることから、制裁解除により核合意に復帰すべきはアメリカであり、さらにアメリカによる責務履行状況が検証確認されるべきことを強調しています。
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