12月 26, 2021 18:48 Asia/Tokyo
  • デズモンド・ツツ(Desmond Tutu)元大主教
    デズモンド・ツツ(Desmond Tutu)元大主教

南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)撤廃運動の象徴として知られるデズモンド・ツツ(Desmond Tutu)元大主教が26日、がんのため死去しました。90歳でした。

ツツ大主教は前立腺がんを患い、入退院を繰り返していました。

フランス通信が26日日曜、報じたところによりますと、ツツ元大主教は1931年10月7日に旧トランスバール州クラークスドープに生まれ、大学卒業後は高校教師になりましたが、人種差別的な教育が導入されたことをきっかけに聖職者の道へ進みました。

1960年には英国国教会司祭となり、78年に南ア教会評議会事務局長に黒人として初めて就任し、86~96年にはケープタウン大主教となっています。

また、故マンデラ元大統領が獄中生活を送る中、アパルトヘイト撤廃運動の精神的指導者となり、アパルトヘイト撤廃に尽力した功績を称えられ、1984年にノーベル平和賞を受賞しました。

さらに、2003年に始まったイラク戦争では、戦争を主導したブッシュ(子)元米大統領やブレア元英首相に謝罪を要求し、17年にはミャンマーの少数派イスラム教徒「ロヒンギャ」に対する迫害問題について、ノーベル平和賞受賞者のアウンサンスーチー氏の対応を批判する公開書簡を発表するなど、国内外の政治状況について積極的に見解を表明しています。

南アフリカ政権の転覆の数年前に、フォルスターおよびボータ両元大統領の2人に宛てた書簡の中で、アパルトヘイト制度が解体されなければ国家が混乱するだろうとして警告していました。

ラマポーザ・南アフリカ大統領は、ツツ元大主教の訃報に接し「解放された南アフリカをわれわれに残してくれた、偉大なる世代の人々に告げる新たな別れの章だ。この世代は、解放された南アを私たちに残してくれた」とする惜別の声明を発表し、その死を悼みました。

 

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