西側諸国によるワクチン分配における不公正
アメリカやEU、イギリスはここ6週間のうちで、アフリカ大陸全諸国よりも多いコロナワクチンを確保しています。
IRIB通信によりますと、新型コロナウイルスのワクチン分配における不平等は月を追うごとに増しています。イギリスに拠点を置くNGO「Global Justice Now」のニック・ディーアデン代表は、低・中所得国は多くのワクチンを確保できないと述べています。
コロナワクチンの公正な分配を求める団体が集まった「People’s Vaccine Alliance」の報告によれば、今年11月11日から12月21日までの間に、富裕国は5億1300万回分をワクチンを確保したのに対して、アフリカ大陸は全諸国あわせても今年全体で5億回分確保したにとどまっています。
世界的な問題に関するデータを提供するサイト「Our World in Data」によれば、富裕国の4億4850万人が3回目のブースター接種を受けているのに対し、低所得国の5360万人は1回目の接種さえも受けていません。
英メディアの報道によると、アフリカ諸国へ提供されたワクチンの大半が使用期限間近だったということです。
6月に開かれたG7・主要7カ国首脳会議で、ジョンソン英首相は低所得国向けにワクチン10億回分を提供すると約束していましたが、現在までに実施されたのはそのうちのわずか15%に過ぎません。
こうした中、WHO・世界保健機関は、南アフリカでオミクロン株が初めて確認されたことをうけ、「コロナ克服のためにはワクチンがすべての国に提供されねばならず、もしそうならなければ、新たなコロナ変異株が多くのワクチンを確保している国々にも舞い戻ってくる。コロナ克服はワクチンの平等なくしてありえないだろう」としています。
現在イギリスは、世界でもっともオミクロン株が拡大している国となっています。