カナダで、先住民の子どもの無名の墓が新たに数十基見つかる
-
先住民の子どもの無名の墓
カナダで寄宿学校跡地の集団墓地から先住民の子どもの遺骨が発見されるという恐ろしい出来事に続き、同国の先住民系の人々は、新たに無名の54基の墓がふたつの寄宿学校跡から発見されたことを明らかにしました。
19世紀から20世紀にかけて、カナダでは先住民の子どもたちおよそ15万人が、政府の命令により強制的に家族から引き離され、「カナダ文化同化」の目的でカトリック系教会が運営する139の寄宿学校へ送られました。
英BBCの報道によりますと、カナダの先住民系の人々は16日火曜、同国サスカチュワン州にあるフォートペリーおよびセントフィリップの寄宿学校跡から、新たに無名の54基の墓が発見されたことを明らかにしました。
また数週間前には、同国西部ブリティッシュコロンビア州でも先住民指導者らが、93基の無名の墓が別の寄宿学校跡から発見されたとしています。
カナダでは、2012年からこうした先住民の子どもたちの墓が見つかり始め、2018年には数十基が見つかったことで、問題が頂点に達しました。さらに昨年5月には、1300基以上の無名の墓がこのような寄宿学校跡から発見され、同国の先住民が受けた仕打ちを改めて白日のもとにさらしました。
TRCカナダ真実和解委員会は、先住民寄宿学校で起きた出来事を「文化的大量虐殺」だと表現しています。
調査によれば、少なくとも3200人の先住民の子どもたちが、1883年から1996年にかけて寄宿学校内で命を落としたということです。一部の統計では、この人数は4100人以上にのぼるともされています。
カナダでは現在、寄宿学校跡地が掘り返されこれらの罪のない先住民の子どもたちの遺骨が発見されていますが、最大の人権主張国である同国が国民にもたらした成果は、このようなものなのです。カナダは今こそ、人権擁護という表面的なパフォーマンスをやめ、カトリック教会に罪を押し付ける代わりにこの恐ろしい犯罪の正確な調査を行い、世界中の世論に釈明を行うべき時を迎えているのです。