ロシアが、大陸間弾道ミサイル「サルマト」の発射実験に成功
ロシア国防省が、同国で国家実験の枠内においてICBM大陸間弾頭ミサイル「サルマト」の初の発射実験が実施されたと発表しました。
「サルマト」はモスクワ時間20日水曜15時12分(日本時間同日21時12分)、ロシア北西部アルハンゲリスク州にあるプレセツク国家試験宇宙基地からの打ち上げに成功しています。
ロシア国防省が20日に発表したところによりますと、演習用弾頭は約6000km離れたカムチャツカ半島のクラ訓練場の所定のエリアに着弾しました。
同省は「サルマト」について、計画されている極超音速ブロックを含むブロックの数やタイプの点で従来のものと比較して戦闘装備の範囲が大幅に拡大されていると発表しています。
また、今日、世界最長の射程を持つ最も強力なミサイルで、ロシア戦略核部隊の戦闘力を大幅に強化させるものだとしており、16発の弾頭を搭載でき、フランスの国土面積に相当する広い地域を破壊する能力があり、さまざまな飛行軌道を用いて遠く離れた目標を攻撃できるということです。
ロシアは長年にわたりサルマトを開発しており、発射実験の実施は想定されていたものの、ウクライナでの特殊軍事作戦が8週間目に入り、地政学的な緊張が高まっているときに実施した形となりました。
これについて、プーチン・ロシア大統領は「最高の戦術的、技術的特性を持ち、現代のあらゆるミサイル防衛を克服できる」とし、「ロシア軍の戦闘能力が強化され、外的な脅威からロシアの安全が守られる」と述べています。
ロイター通信が20日、英ロンドンおよび、米ワシントンから米国防総省の発表として報じたところによりますと、米国はロシアのICBM「サルマト」の発射実験についてロシアからしかるべき形で事前に通知を受けており、脅威として認識していないと報じました。
また、米国防総省は今回の発射実験を「通常の手順」、日常的な実験として評価しているということです。
米国議会調査局によりますと、ロシアはサルマトに弾頭を10個以上搭載して配備する可能性があるということです。
なお、国連のステファン・ドゥジャリク事務総長報道官は、「サルマト」の発射実験を受け、国連は軍縮の継続とそのような兵器の削減を求めると発表しました。