ドイツ首相が、ウィーン協議当事国に制裁解除を要請
ドイツのショルツ首相がカタール首長との共同記者会見で、オーストリア・ウィーン協議の当事国に対し、制裁解除を要請しました。
ファールス通信によりますと、ショルツ首相は20日金曜、カタールのタミム・ビン・ハマド・アルサーニー首長と共同記者会見を行い、アメリカの核合意離脱やヨーロッパ諸国の同合意の責務不履行には触れず、対イラン制裁解除を目指すウィーン協議の各関係国に対し、現在ある合意成立のチャンスを逃さないよう求めました。
一方のカタール首長も、ウィーン協議が成果をあげるよう期待感を表明すると共に、この合意成立を助ける用意があると表明しています。
昨年12月27日に始まったウィーン協議の第8ラウンドは、 EUのボレル外務・安全保障政策上級代表の提案によって今年3月11日に一時休止となり、各方面の交渉担当官らは政治的相談のために本国に戻りました。
それ以降今日まで、イランおよび相手側は協議の進展や相違点の解消について言及してきたものの、相手側の責務履行の保証、諸制裁解除、制裁対象リストからのイランの法人・個人名の削除といった問題は未だに、核合意に違反した側のアメリカが依然としてその解決に必要な政治判断を下さない事項として残されています。
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は19日木曜、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相との電話会談で、ウィーン協議と核合意について、「米国が合理的に行動すれば、合意成立は可能である」と述べました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相は続けて、「我々は、協議に関して全ての関係国の率先的な行動を望んでいる」と指摘しました。
また、 「イランとして、恒久的でしっかりした良好な合意を、そして勿論譲れない一線を厳守した上で成立させることへの、真剣な決意を有している」としました。
さらに、イラン国家安全保障最高評議会のシャムハーニー書記は今月13日、ツイッターにおいて、「米国は約束の破棄、またヨーロッパは約束を実行に移さなかったことにより、イランが示して見せた誠意を活かすチャンスを棒にふった。もし彼らが(核合意に)復帰する意志を持つなら、イランには合意を結ぶ用意がある」としました。