プーチン氏、「世界経済の問題は欧米の行動から慢性化」
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、「西側のパートナーは市場経済の基本原則を軽視しており、その結果、経済危機は慢性化している」と語りました。
ロシア・スプートニク通信によりますと、プーチン氏はBRICS・経済新興5カ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)のビジネスフォーラムの参加者への挨拶でさらに、「西側諸国は、紙幣の増刷をはじめとする無責任なマクロ経済政策を行っており、すべてがビジネスに損失を与え、人々に悪影響をもたらしている」と指摘しています。
また、西側諸国は政治的な動機から制裁を課し続けており、政敵に圧力をかけるメカニズムを強化し、サプライチェーンを破壊していると強調しました。
そして、「これはすべて常識と基本的な経済論理に反しており、世界規模でビジネスにおける利益を損ない、本質的にすべての国の人々の幸福に悪影響を及ぼしている」と語っています。
続けて「結果として、世界経済の問題は慢性化し、事業活動の低下や失業率の上昇、原材料や部品の不足が見うけられ、そして世界の食料安全保障の確立がいっそう困難となっている。農作物やその他の基礎的な農産物の価格も高騰している」と述べました。
このほかにも、プーチン大統領は、「BRICSのパートナーと協力して、国際決済のための信頼できる代替メカニズムを開発している。 またBRICS諸国の通貨バスケット制をベースに国際準備通貨を作成するという問題が研究されている」と明かしました。
なお、CNN Businessが英ロンドンから報じたところによりますと、プーチン氏は22日水曜、オンライン形式で行われたBRICS首脳会議前のビデオ演説で、「西側諸国が経済的関係を断とうとする中、ロシアは貿易をブラジル、インド、中国、南アフリカといった『信頼できる国際パートナー』に振り向けていると語っています。
プーチン氏によりますと、ロシアとBRICS諸国の貿易は38%増加し、今年は3月までに450億ドル(約6兆1000億円)に達したとされています。
プーチン氏はまた「BRICSのパートナーとともに国際決済のための信頼できる代替メカニズムを開発している」と述べ、ドルやユーロなどに依存せずに取引するための新しい方法を見いだそうとしていると主張しました。