ノウルーズ、旅の機会
(last modified Fri, 02 Apr 2021 14:07:00 GMT )
4月 02, 2021 23:07 Asia/Tokyo
  • ハーフェズの墓
    ハーフェズの墓

今回は、ノウルーズの期間中のイランの観光地についてお話ししましょう。

人間の精神は、日常の忙しさによって疲弊し、さまざまな娯楽やリフレッシュを必要としています。娯楽とは、人間の精神に活力や喜びをもたらすことであり、美しい自然の中を旅すること以上に、それをかなえられる事柄があるでしょうか。

 

ノウルーズの休暇とイラン各地への旅行は、生活に変化と喜びを与えるための機会です。そのため、ノウルーズの期間、イランの家族の間では旅行が特に好まれています。旅行をする機会が整えば、家族そろって各地に出かけていくのです。

 

一般的に、イラン人の家族は、休暇の数日前からノウルーズの旅行を始め、その旅行は最終日のあたりまで続きます。春は旅をするのに絶好の時期であり、イラン各地の美しい春の自然を満喫することができます。ここからは、イラン各地をご紹介してまいりましょう。

ペルセポリス

 

イラン北東部のホラーサーン・ラザヴィー州は、イランの文明の発祥地であり、宗教や文化の中心地であるため、ノウルーズの旅行の第一の目的地にあげられます。この州はその名前からも分かるように、イマームレザーの聖廟があり、こうした宗教的な見所と共に、数多くの観光名所も存在します。

 

多くのイラン人は、年の移り変わりの瞬間を、このマシュハドやイマームレザー聖廟で迎えることを好みます。マシュハドは、テヘランに続くイラン第二の都市で、世界各地から多くの観光客が訪れています。公式統計によれば、マシュハドには年間3000万人以上の国内の巡礼者、100万人以上の外国の巡礼者が訪れています。マシュハドの最も重要な見所はイマームレザー聖廟であり、旅のほとんどの時間を費やすことになります。とはいえ、マシュハドには、他にも多くの観光地が存在します。

イマームレザーの聖廟

 

イラン南東部スィースターン・バルーチェスターン州のチャーバハールも、ノウルーズの旅行先のひとつです。チャーバハールは、イランで最も人気のある観光地のひとつで、失われた楽園と呼ばれています。この町は、温暖な気候のため、「4つの春」を意味するチャーバハールとして知られており、イランの7つの自由貿易区のひとつで、オマーン海とインド洋に面するイランの唯一の港となっています。

チャーバハール

 

チャーバハールは、自然の宝庫です。この地域にある山は、チャーバハールの自然の見所のひとつです。また、海の波は、偏西風の季節になると高さ20メートルに達します。さらに花畑が広がり、クロコダイルが生息する河川があります。チャーバハールは自由貿易区であることから、市場や商業施設も、この港の見所となっています。

チャーバハール

 

歴史遺産に興味のある人は、ノウルーズの時期、歴史都市であるヤズドを訪れます。この町は3000年以上の歴史を有し、砂漠の花嫁として知られ、非常に美しい町並みの中に、イランの伝統建築の傑作を目にすることができます。

 

ヤズドは日干しレンガの町として有名です。それは、この町のバードギールと呼ばれる風を取り込む塔のついた家の存在によります。この塔は、ヤズドの暑さをしのぐために建築家によって建設されました。この他、ヤズドには、バフラームのゾロアスター教寺院、世界で最も高い風取り塔のあるドウラトアーバード庭園、ジャーメモスク、アミールチャフマーグ広場、水の博物館、ハーンの浴場など、多くの見所が存在します。

ヤズド

 

ケルマーン州も、ノウルーズに多くの観光客が訪れる場所となっています。ケルマーン州は、砂漠地帯と山岳地帯の自然を同時に有するため、一度の旅でさまざまなことを経験することができます。

 

ケルマーンは、イランで最も面積の広い大都市のひとつです。ケルマーンも古い歴史を有し、ザンド朝時代に首都であったため、数多くの歴史・文化遺産が存在します。

バム

 

アナヒタのゾロアスター教寺院は、ケルマーンで最も古い歴史遺産です。また、世界的に知られ、イランのバザールで最も長い通路のあるケルマーンのバザール、世界で最も大きな隊商宿のひとつであるヴァキールの隊商宿、ゾロアスター教徒人類学博物館など、数多くの見所が存在します。ケルマーン州のルート平原は、天文学のための観光地のひとつとなっています。

 

ルート平原は非常に暑く、2002年から2009年までの間に世界で最も暑い地点とされました。そのため、この地域を訪れる際には十分な装備が必要です。

ルート平原

 

イスファハーンは、マシュハドに次いでイランで二番目に人気のある旅行先です。イスファハーンは、イラン中部に位置し、乾燥した熱帯気候であるため、まだ暑さの厳しくない春は、この地域を訪れるのに適した季節となっています。ノウルーズの期間中、イスファハーンにはイラン各地から多くの旅行者がやってきます。

 

イスファハーンは、モスクのドームのトルコブルーにより、世界のトルコ石と呼ばれ、世界の半分とも言われています。

ナグシェジャハーン広場

 

この古代の都市であるイスファハーンには、各地に観光の見所が存在します。中でも、スィーオセポルは、イランと世界の橋の建築の傑作です。この他、イラン高原の中央にあるザーヤンデルードと呼ばれる河川、サファヴィー朝時代の作品であるアーリーガープー宮殿、岩山のゾロアスター教寺院、揺れる塔のミナーレ・ジョンバーン、世界で最も広い広場のひとつであるナグシェジャハーン広場、ハージュー橋、チェヘルソトゥーン宮殿、ハシュトベヘシュト、野鳥公園、シェイフロトフォッラーモスク、ヴァーンク教会などが、イスファハーンの観光の見所となっています。

 

伝統工芸や芸術に興味のある人にとって、イスファハーンのバザールは見て歩くのに最適の場所となっています。

イスファハーンのバザール

 

イスファハーンから100キロのところには、シャフレコルドを中心都市とするチャハールマハール・バフティヤーリー州があります。この州は類まれなる美しい山岳地帯の自然を有し、ノウルーズの期間中には自然を愛する多くの人が訪れます。また、ザグロス山脈のふもとにあり、頂上部にある万年雪は、カールーンやザーヤンデルードといったイランの大きな河川の水源となっています。

 

ノウルーズが近づくと、チャハールマハール・バフティヤーリー州は美しさを増していきます。雪解けと共に春の植物が芽を出します。チャハールマハール・バフティヤーリーは、世界の11種類の気候のうち、9種類を有します。また、25箇所以上の観光や自然の見所があり、イランの重要な観光地のひとつとなっています。

チャハールマハール・バフティヤーリー州の自然

 

イランの文化首都である歴史都市のシーラーズには、イランの観光の見所や歴史遺産の3割以上が存在し、毎年ノウルーズになると、多くの観光客を迎え入れています。

 

シーラーズには、アケメネス朝時代の古代遺跡、ペルセポリスが存在します。また、イランの偉大な2人の詩人、サアディとハーフェズの墓があります。この他にも、ナスィーロルモルクモスク、キャリームハーン城塞、アラム庭園、シャーチェラーグ廟などの見所があります。

ハーフェズの墓

 

イラン北部のカスピ海沿岸、南部のキーシュ島、ゲシュム島、ハールク島、イラン北西部のアーザルバイジャーンの美しい歴史都市、西部の山岳地帯の歴史都市も、毎年ノウルーズの期間になると多くの観光客を受け入れています。

ゲシュム島

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