慈愛の預言者、ムハンマド（２）

神は、イスラムの預言者ムハンマドを、人間の生き方の完全な模範として紹介しています。

神は、コーラン第33章アルアハザーブ章部族同盟第21節で次のように語っています。

「神の預言者の中には、あなた方が従うために好ましい模範がある。神と来世に希望を持ち、神の名を多く唱える人のために」

幸福と救済を求める人は誰でも、この永遠の模範を、崇高なる人生のために見つめ、それにならうのが相応しいでしょう。

預言者ムハンマドの人生において興味深いのは、預言者の控えめな行動が、その精神的な魅力や人格を損なうことはなかったということです。人々の問題や状況への配慮、弱者や貧者への慈しみ、利己主義からの乖離により、ムハンマドはすべての人に愛されていました。彼は質素な身なりをし、つましい食事を取り、他人に敬意を払っていました。

ムハンマドは、若い頃から礼儀正しく、そのため人々は彼とのつきあいを好んでいました。抑圧されていた人は、ムハンマドが持つ圧制の排除や公正の追求という性質を目にし、彼に助けを求め、失った権利を取り戻すことに希望を抱いていました。

預言者ムハンマドはいかなるときも、自分の立場や地位を、人々を威嚇したり、脅したりするための手段にしたことはありませんでした。彼は非常に憐れみ深い指導者でした。イスラムの預言者ムハンマドは、人々を尊重していましたが、その敬意は、人種や肌の色、家柄を理由にしたものではありませんでした。また、イスラム社会に暮らすキリスト教徒やユダヤ教徒の権利を尊重していました。イスラムに敵対せずに、自分の宗教を保持している人たちは、イスラム教徒の社会の中で、完全な社会的、経済的権利と安全を享受していました。ある時、預言者ムハンマドは、イスラム教徒に向かってこう言いました。

「イスラム教徒以外の人があなた方に助けを求めてきたら、その人に平穏を提供し、イスラムの教えによって、精神的な栄養を与えてやるように。恐らくその人は真理を悟り、イスラムを信じるようになるだろう。そしてイスラムを信じるようになったら、あなた方の同胞と見なされる。もしイスラムを信じなくとも、そのまま保護下に置き、尊重するように」

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