ラマザーンへのいざない(2);預言者ユーヌスと罪の悔悟
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預言者ユーヌス
モスルの土地に、ネイナヴァーという名の町がありました。慈悲深い神は、その町の人々を導くために、預言者ユーヌスを遣わしました。
ユーヌスはモスルの人々に多くの訓戒を与え、神の教えを説き、公正と敬虔さを呼びかけました。しかし人々はそれに抗い、真理の言葉を受け入れませんでした。預言者ユーヌスは、人々を導くことへの希望を失ってしまいました。神は、モスルの人々に責め苦を下すと約束しました。預言者ユーヌスは、シャッワール月15日の水曜、日が昇るときに、神の責め苦が下ると人々に伝えました。しかし人々はそれでも耳を傾けず、ユーヌスを嘲笑しました。
預言者ユーヌスの民の中には2人の著名な人物がいました。一人は敬虔な人物であり、もう一人は学者でした。神の責め苦が下るときが近づくと、ユーヌスは敬虔な人物とともに町を離れました。しかし、学者の方は、ユーヌスの許可を得て町に留まりました。預言者ユーヌスが町を離れたとき、人々のために心を痛めていた学者は、人々を山のふもとに集め、自分は高いところに行き、言いました。「人々よ、ユーヌスは神の偉大な預言者であり、決して嘘を言ったりはしない。もし罪を悔い改めなければ、責め苦によってあなた方は滅びることになる。時があるうちに罪を悔い改め、責め苦が下るのを防ぎなさい」
この賢者の言葉に、人々は態度を軟化させ、こう言いました。「私たちは罪を悔い改める用意ができています。でも私たちの預言者は去ってしまいました。今、私たちには何ができるでしょう?」 賢者は言いました。「水曜の日の出前に、皆で山のふもとに集まり、母親と子供たちで分かれるのです。母親は一方に、子供たちはもう一方に集まります。そうして、子供たちの嘆く声を聞かせるのです。動物たちも集めなさい。そして動物の子供も親から離すのです。あなた方も泣きながら、神に赦しを懇願するのです」
約束された水曜になりました。人々は賢者の言うとおりのことをしました。日の出近くになり、黒い雲が空を覆いつくしました。雲から起こった濃い煙が、町全体に闇をもたらしました。恐ろしい嵐になり、黄色く激しい風が吹き始めました。恐ろしい音が人々の心を震え上がらせました。人々は心の底から神に向かって、罪の悔悟を叫びました。嵐の音と、人々の嘆願の声が響いていました。人々は神に赦しを求め、過去を償うことができるよう、再び機会を与えてくださるようにと願いました。
神の慈悲と怒りがせめぎあっていました。しばらくその状態が続きました。災難は人々のすぐ近くまでやってきていました。しかし、怒りよりも慈悲がまさる寛容な神は、人々の真の罪の悔悟を受け入れました。人々は、嵐がだんだん静まっていき、空が明るくなるのを目にし、心から喜びました。母たちは子供を胸に抱き、神に感謝しました。神は、預言者ユーヌスに、民のもとに戻るよう指示しました。なぜなら人々は罪を悔い改め、よりよい人生を送るための猶予を、神に求めたからです。
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