3月 12, 2024 19:30 Asia/Tokyo
  • イスラームにおける人々の役割
    イスラームにおける人々の役割

イスラムやその聖典クルアーンでは、一般の人々に中心的役割が担わされています。

預言者ムハンマドが生きていた西暦7世紀前半、人々はムハンマドによる統治を実現するための後ろ盾となりました。ムハンマドが神から啓示を受け、イスラムの教えを説いて回り始めた頃、人々の大半はまだ多神教信仰の中にいました。今でこそイスラムの聖地となっているメッカも多神教徒が多数を占め、新たな教えを説き始めたムハンマドを迫害していました。622年、ムハンマドは迫害から逃れるため、メディナへ逃れます(ヒジュラ)。このメディナの人々がムハンマドに忠誠を誓ったことで、ムハンマドはその後のイスラム統治の基礎を築くことができました。

ムハンマドの娘婿であり、その後継者として初代イマームの座に指名されたアリーは、人々の役割について「もし人々が表舞台にいなかったら、私はイマームの地位を放棄していただろう」と語っています。つまり、預言者の後継者ですら、人々がその地位を受け入れなければ成り立たなかったのです。

 

イマーム・マフディー再臨の地と予言されるメッカのカーバ神殿

 

シーア派信仰では、第12代イマーム・マフディー(通称:時のイマーム)は9世紀後半に生まれましたが、現在も隠れて生きており、いずれ救世主として再臨・世界を統治すると信じられています。その統治も人々の支持があってこそ実現します。

 

イマーム・マフディーを求める世界の人々

 

シーア派文献では、イマーム・マフディーの再臨はメッカのカーバ神殿で起こり、人々が彼に追従することで世界に変革を起こすとされています。それはムスリム以外のあらゆる信仰を持つ人々も加わり、キリスト教徒は預言者イエスがイマーム・マフディーとともに再臨するのを目撃すると言われています。

イマーム・マフディーによる統治は世界中の大半の人々から支持されることになりますが、一部の反対勢力にもイマームは寛容な姿勢を示すとされています。このことはスンニ派の文献にも書かれています。

人々の支持を得たイマーム・マフディーによる統治は、世界に平和と正義をもたらします。もし圧政を敷こうとする者が現れれば、イマームは人々の側に立ち、ともに戦います。

もっとも、イマーム・マフディーが到来するのは、その統治により世界に正義がもたらされることを人々が理解するに至った時とされています。

 

クルアーン・預言者章105節:ザブール(=ダビデの詩篇)で「この土地は、わたしのふさわしいしもべが相続する」と命じた

 

 

 


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