ペルシャ語ことわざ散歩(179)「落ち着くよりも逃げるほうをよしとする」
皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「落ち着くよりも逃げるほうをよしとする」です。
ペルシャ語での読み方は、Faraar raa bar qaraar tarjiih daadanとなります。
ちなみに、このことわざに見られるファラールとは「逃げること」、ガラールとは「安定、落ち着くこと」を意味しており、ペルシャ語での語呂合わせの面白さが見られます。
意味合いとしては、ある場所にずっとい続けることで利益が得られない、または不利益をこうむったり自分に危険が及ぶような場合、その場から逃げるほうを選ぶ、ということになります。
このため、ここでいう「逃げること」とは、危険から逃れて自分の身の安全を守ることを意味しており、決して悪い意味にはなりません。
つまり、この場合に逃げることは賢明で正しい選択だという言うことになり、人生の色々な場面に出てくるかと思います。
一方で、誰かとの議論などで勝てそうにない、形勢が不利になってきた場合などにその場からさっさと立ち去る、退散するといった意味でも使われます。
もちろん、無意味な議論は止めて、自分のすべき仕事に従事したほうが建設的でもありますし、まさに「逃げるが勝ち」ということも言えるのではないでしょうか。
こうした概念はもちろんイランでも通用しますし、私たちも日ごろから状況を見極め、こだわるべきところにはこだわり、拘泥しても意味がないと思われるような場合にはさっと引き下がって別の機会をうかがうのがよいのではないでしょうか。それではまた。