8月 30, 2023 16:30 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。シリーズでお届けしております「ペルシャ語ことわざ散歩」、今回はイスラムの聖典コーランにまつわる慣用表現をお届けしてまいりましょう。

今回ご紹介するのは、「開端の章が読まれた」です。

ペルシャ語での読み方は、Faateh-esh khaande shod となり、この表現は日常会話でも非常に多く使用されています。

ここに出てくる「開端の章」とは、全部で114章から構成されているイスラムの聖典コーランの第1章を指しています。

この「開端の章」は、アラビア語で「開く」という動詞に由来するファーテヘ、または「賞賛」を意味するハムドと呼ばれています。

特にイランでは、人が亡くなって埋葬した際に、この章を参列者全員で唱え、葬儀のすべてが終わることから、この表現は「すべて終わってしまった」、「一巻の終わり」に近い意味で使われています。

例えば、物事が失敗に終わりもう取り返しがつかないような場合、あるいは、信用できない相手に金品を預けてしまい、もう元のままでは返ってこないことを悟った場合などに、この表現が使われています。


コーランの特徴は、神がアラビア語で預言者ムハンマドに伝えたそのままの言葉が書かれていることです。そのため、コーランは成立してからこれまで1300年以上、人の手によって文章を付け加えられたり、書き換えられたりといったことがなされていないのも、注目に値すると思われます。

ペルシャ語には、このほかにもイスラムやコーランに関係する慣用表現が数多く存在します。これからも随時、そうした表現をご紹介してまいります。どうぞ、お楽しみに。

この番組はIRIBイランイスラム共和国国際日本語通信パールストゥデイがお送りしています。

 


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