9月 04, 2023 20:58 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。シリーズでお届けしております「ペルシャ語ことわざ散歩」、今回は季節にまつわることわざをご紹介してまいりましょう。

イランは、日本と比べて春と秋がやや短いと思われるものの、四季の変化があります。特に、イラン暦では春が新年の始まりとされていることから、「よい年であることはその年の春からはっきり見えている」というものがあります。

ペルシャ語での読み方は、Saali ke niikuust dar bahaar peidast となります。

このことわざは、昔から多くの場合において、1年の始まりとされる春のシーズンに適切な量の雨が降った場合には、特にその年の夏に予想される水不足の心配がなく、また秋に豊富な農作物が収穫されることに由来しています。逆に、春に気候が乾燥し気温が高い傾向が見られる場合には、その年は水不足や凶作が予想されるといわれています。

このことから、このことわざは「物事の今後の見通しや結末は、その始まりからすでに明らかである」ことを意味しています。

日本語でも、「最初が肝心」、「幸先のよいスタート」などという表現があり、やはりスタートダッシュがうまくいかないことはよくないこと、幸先が悪いと考えられていることはよく知られています。

もちろん、最初だけが調子よく、中だるみや竜頭蛇尾ではいけませんが、やはり何事も幸先のよいスタートを切った方がよりよいものであり、出だしでつまずくと、その後に多かれ少なかれ影響すると思われます。

ところで、日本では一般的に、イランは乾燥した砂漠の国と思われがちですが、実際にはその広い国土は多種多様な気候風土に恵まれ、熱帯から亜寒帯まで実にさまざまな気候区分が存在しています。このことから、農業や気候風土に関する表現も多いようです。

今後も随時、そうしたイランのことわざや慣用句をご紹介してまいります。どうぞ、お楽しみに。

 


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