3月 20, 2024 20:40 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。このシリーズでは、イランの文化や歴史、宗教、またはイラン人の物事の捉え方などに根差したペルシャ語の生きた表現を毎回1つずつご紹介してまいります。

今回は、「何枚もより沢山のシャツを破ってきた」という慣用句をご紹介しましょう。

この表現はペルシャ語では、Chand taa piiraahan-e biishtar raa paare kardeと読まれます。

より多くのシャツを破って来た」という表現は、「他の人より多くの人生経験を積んできており、善悪や重要な物事の判断基準、進むべき方向をわきまえている」ということを例えたものです。

また、文法的には「誰誰は他の人より多くの枚数のシャツを破ってきている」とすることで、主語になる人物がより多くの人生経験を積んできていることを表します。

一般的には、若い人よりは中高年者の方がより多くの人生経験を積んでいるとは、よく言われることだと思われます。

しかしながら、この表現は必ずしも年齢を重ねた人だけに使われるのではなく、若いながらもある分野に関してある程度の期間にわたり調査研究を重ね、その道の専門家になっている人に対しても、「その分野に関しては人より枚数多くシャツを破ってきている」といったように表現します。

私は最近、インターネットで、19歳で交通事故に遭い脊髄損傷を負って車椅子生活になったという人の動画を見ました。その人は車椅子生活になったからこそ、日ごろの当たり前と思われる日常や、周りの人のちょっとした気遣い、さらには今生きていて呼吸していることにすらも有難みや喜び、幸せを感じられるようになったということです。また、健常者だった時には見えていなかった色々なことが見えてきて、別の意味で成長できた、普通では得られないものが得られたということでした。

確かにその人は年齢的には私よりもずっと若いとはいえ、人生や物事に対する考え方がとても成熟していると感じました。このような人こそまさに、年齢にかかわりなく人生経験の豊かな人といってよいのではないでしょうか。

私自身もイランで20年以上にわたり生活し、おそらく日本では得られなかったと思われる、普通とは少々違った貴重な経験ができたと考えています。この経験を生かして、これからも皆様に有益な情報を発信してまいりたいと思います。それではまた。

この番組は、IRIBイランイスラム共和国国際日本語通信パールストゥデイがお送りしています。

 


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