10月 05, 2023 17:11 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。

今回ご紹介するのは、「ライオンの吼えたけびは決して、木造の家屋を壊さない」です。

ペルシャ語での読み方は、Na're-ye hiich shiirii khaane-ye chuubii raa kharaab nemi-konad となります。

このことわざが意味しているのは、ライオンが吼えてから攻撃してくるまでにこちらが逃げる余裕があるのに対して、人知れず影でじわじわと木造家屋を破壊してくるシロアリのほうが危険性が高い、つまりは目に見える敵対行為や打撃、加害行為よりも水面下での裏切り、二心や二面性ある行動のほうが、相手に与える打撃が大きい、ということです。

これはまさに、現在よく聞かれるフレネミー、すなわち友達である「フレンド・Friend」と敵である「エネミー・Enemy」を掛け合わせたものに等しいのではないでしょうか。

ライオンが吼えてくれば、「すぐ逃げよう」と判断する時間があり、また言葉や態度などから目に見える形で相手の悪意が見て取れる場合、その後の対策を考えたりできるはずです。しかし、いかにも善意を装ってこちらに近づいてきていた人が、実は影でこちらの悪口やうわさに興じていた、などという場合、面と向かって悪意を示されたり、悪態をつかれた場合よりもショックに陥るのではないでしょうか。

今まで信頼していた人から裏切られる、といったケースは、まさにこれに相当すると思います。職場や家庭、その他の場での日ごろの人間関係におきましても、あからさまにこちらに悪意をぶつけてくる「吼えてくるライオン」よりも、影で裏切り、計り知れない打撃を与える「シロアリ」的な存在やフレネミーにもっと気をつけたほうがよいかもしれませんね。それではまた。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter     urmediem


 

タグ