ペルシャ語ことわざ散歩(205)「時間は黄金である」
皆様こんにちは。シリーズでお届けしております「ペルシャ語ことわざ散歩」、今回はペルシャ語にもある、日本語とほぼ同じようなことわざをご紹介してまいりましょう。
今回ご紹介することわざは、「時間は黄金である」です。
ペルシャ語での読み方は、Vaqt talaast となります。
これはまさに、日本語のことわざの「時は金なり」に相当し、時間の大切さ、そして時間を無駄にしてはならないことを意味しています。
時間は金銭などの物的財産などとは異なり、1日24時間が誰にも平等に与えられています。また、人間はこの世に生まれてきたからには、いつか必ず死を迎えなければならず、多少の差はあれど、この世に生きていられる時間は限られています。
当然ながら、イスラムにおいても時間の大切さが強調されています。例えば、預言者ムハンマドは「金銭や現金よりも、自らの命の時間を惜しむべきであり、むやみに失ってはならない」と述べています。また、シーア派初代イマーム・アリーも「あなたの存在はあなたの命の時間の日々を数えることであり、あなたが過ごしている日々は過ぎ去るごとに、あなたの存在から一部ずつを持ち去っていく」としています。
ちなみに、日本語で言われる「時は金なり」ということわざは、アメリカ建国の父ベンジャミン・フランクリンが残した「Time is money」という格言の日本語訳とされています。このように、時間の大切さについては万人が認めるところではないでしょうか。
ところが実際は、このように大切な命の時間を無駄遣いしているケースは決して少なくないと思われます。そうした時間の無駄遣いの代表例として、他人への余計な干渉や悪口、陰口、嫌味や小言、粗探しなどがあり、まさに人生の時間を無駄にしていることに他なりません。「少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず」とも言われる通り、一見何も失っていないようでも、時間はあっという間に過ぎていきます。自分がある程度の年を重ねたときに、ひいてはこの世での一生を終えるときに「自分は今まで何をしてきたのだろう、もっとやりたいことをやっておけばよかった」などと後悔することのないよう、今この時を、そして自分の命の時間を有効に使いたいものですね。それではまた。
この番組は、イランイスラム共和国国際日本語通信パールストゥデイがお送りしています。