8月 16, 2016 15:06 Asia/Tokyo
  • 家族の絆を強めるための効果的な要素(2)

今回は、家族の絆を強めるために効果的な、そのほかの要素について考えてみることにいたしましょう。

前回は、対等なパートナーシップといった、家庭の基盤を強める上で効果的な要素の一部、そして性格のよさや寛大さ、自己献身といったモラル面での特徴や決まりごとについてお話しました。今回は、家族の絆を強めるために効果的な、そのほかの要素について考えてみることにいたしましょう。

家庭環境において、愛情を維持するにはどうしたらよいのでしょうか?家庭に愛が不足すると、どうなるでしょうか?

 

愛とは何か?

愛は、人間関係を維持し、支えるための源です。人間的な気高さとは、愛情を感じてこれを大切にすることです。フランスの生物学者、アレクシス・カレルは、『人間、この未知なるもの』において、次のように述べています。

「人間をつなぎ止めておくものは、愛の魅力である。それはまさに、創造物の間のバランスを維持する引力のようなものである」

愛という要素は、人間が生きていくうえで欠かせないものであり、社会に愛や共感がなければ、その社会で生きていく時間は非常に耐え難いものとなります。家庭から愛が失われれば、大きな被害をもたらす惨事が起こり、その結果、家庭は崩壊して子供が被害を受けることは言うまでもありません。それは、若者に多い暴力や子供のうつ病などといったものです。シーア派6代目イマーム・サーデグは、これについて次のように述べています。

“夫婦関係において、夫は妻の愛情をひきつけるために、3つの重要な責務を負っている。それは、妻と折り合うこと、妻によい形で振舞い、そしてよい性格であることだ。一方、妻も自分の夫との相互関係において、相応しい存在でなければならない。そのために、妻は夫に対する愛情を表現すること、約束を守ること、他人の前での身なりに気をつけるという、3つの事柄を守る必要がある”

夫婦愛について

人間は、愛や友情を渇望しています。夫婦が互いに愛情を表現しあうことは、家庭の関係の強化に効果があります。イスラムの預言者ムハンマドは、これについて次のように述べています。

“夫が妻に愛情を込めた視線を向け、妻も夫に優しさのある眼差しを向ければ、神はその夫婦に恩恵の眼差しを向けてくださる”

先にご紹介した伝承によれば、神は夫婦の間に愛情と優しさの関係が築かれ、一緒にいることで彼らが安らぎを感じることを望んでいます。言うまでもなく、安らぎや優しさにあふれた空間が存在することは、家庭の存続と発展のために最も有力な要素とされています。このため、妻と夫は家庭内に安らぎが生まれ、日増しに互いに対する愛情や優しさがより大きなものとなるよう努力しなければなりません。それは、夫婦間における相互の愛情が、家族のためにがんばって働くための動機となり、現在の生活を維持する条件が整い、困難に耐えやすくなるからです。イマーム・サーデグは、これについて次のように述べています。 “ある人に好意を抱いたならばいつでも、その人にその旨を伝えるがよい。なぜなら、そうすることによってあなた方の友情がより強まるからである”

 

家族の絆を深める原動力としての愛

理性に基づき、惜しみなく表現される愛情や優しさは、確実に家族の絆を強める上で決定的な役割を果たし、家庭に安らぎと安定をもたらします。

イスラムの視点から見た、家族の絆を深めるポイントに1つは、愛情と慈しみです。イスラムの聖典コーランも、夫婦の関係を愛情と慈しみであるとしています。神は、コーラン第30章、ルーム章「ローマ」第21節において、次のように述べています。

 “また、彼があなた方自身の中から、あなた方のために配偶者をお創りになったのは、彼のしるしの1つである。あなた方は、彼女らによって安らぎを得るよう取り計らわれ、またあなた方の間を愛情と慈しみで満たされる。誠に、その中には考え深い人々のための印がある”

言い換えれば、優しさと愛情、心地よさや親しさは、夫婦を互いに結びつけるための効果的な要素の1つということになります。このような家庭で育った子供は、父親と母親の愛情や親密さを存分に吸収し、その結果愛情が不足したり、あるいは偽りの愛情に騙されたりすることはありません。

両親は、自分の子供に愛情をかけていることから、子供の幸せのためにはいかなる努力も惜しみません。家庭内における全ての寛大さの基盤は、愛です。ここで、家庭内の愛情だけで果たして十分なのか、という疑問が出てくるかも知れません。明らかに、愛が心の中から湧き出てくる感情の1つであることから、これは明白な形で提示される必要があります。つまり、私たちは愛を優しさにより示し、相手が明白な形でこれを感じられるようにしなければなりません。優しさを明白に示し、持続させるための方法は様々です。その例として、良い思い出を振り返り、これを強く思い返すこと、贈り物をすること、美しい表現を使うこと、協力や共感を増やすこと、利己主義をやめること、いさかいや口論を避けること、穏やかであること、親切に振る舞い、相手を思いやった言葉遣いをすることなどが挙げられます。

 

家族1人1人の権利と義務

家族の絆を強めるもう1つの要素として、家族1人1人にそれぞれの権利と義務を完全に理解させることがあります。明らかに、家族はそれぞれ権利と義務を有しており、それらには子供に対する親権、親に対する子供の権利、家族全体に対する両親の義務、そして、夫婦間の権利と義務が含まれます。