11月 21, 2016 18:43 Asia/Tokyo
  • 家庭の精神衛生の重要性

今回は、家庭内の精神衛生の重要性についてお話することにいたしましょう。

健全な人間とは、身体のみならず精神も健康であり、精神面で安定している人を指します。家庭は子供を愛情に満ちた社会的なつながりの場や、特殊な生活環境に引き入れ、人生の最初の20年間における社会的な場を決定することから、重要なのです。

子供は、親の特徴を受け継ぎ、また両親が適切な環境を整えることで、子供の成長や才能の開花、発展の下地が作られます。家庭は、子供の身体的、精神的な衛生が保証されるような形で、子供の物質的、精神的なニーズを満たす責務を負っています。幼少時代に家族の愛情に恵まれなかった人々は、大きな苦痛を感じます。

既に出生前から、子供の精神は影響を受け始めています。妊娠中の母親のストレス、家庭内の愛情に満ちた雰囲気、夫婦間の関係は、出生前の9ヶ月間に胎児の精神衛生を守る、或いは危険にさらす可能性のある要因とされています。

子供は、健全な人格を育む上で、両親の愛情や家庭内での安心感を必要としています。幼少時代の親子関係が、親密で愛情にあふれたものであればあるほど、その効果も大きくなります。兄弟姉妹の間での性的な差別、また兄弟同士や他の子供とむやみに比べることも、子どもの行動に悪影響を及ぼす要因とされています。

 

思春期は、人生の最も重要な時期であり、この時期には誰もが肉体や精神面での大きな変化を経験します。親がこの時期の子供の精神的な変化に気づかなかったり、無視したりすると、家庭・社会的な対立を引き起こし、また多くの青少年の道徳的逸脱の原因となる可能性があります。

若年期には、勉学の継続や転職、就職、それらの環境への適応の仕方といった出来事を経験しますが、これらはその人の将来や社会的なアイデンティティを決定することになります。人生の最も重要な段階である結婚も、この時期に行われることが多くなっています。この段階においては、若者やその家族の精神や考え方の健全さが、適切な配偶者選びや理にかなった結婚に重要となります。それと同様に、守るべき価値観や原則を無視し、破ることで、危険な結婚につながり、新婚家庭が崩壊する可能性があります。

老年期に入ると、様々な病気にかかりやすくなるとともに、精神的にもダメージを受けやすくなります。家庭における高齢者の安らぎが無視されると、うつ病や認知症といった、取り返しのつかない事態に至る可能性があります。

祖父母は子供や孫との関係を維持し、家族から敬愛されることで、若さや喜びを保ち、免疫力が大幅に増します。老年期に適した食事制限を行うことも、高齢者の身体的な能力を守り、精神障害をも予防することになります。

 

最後に、心理学者の間では家族の精神的な安定に影響する要素として、宗教信仰や精神性への注目も強調されていることを付け加えておきたいと思います。出生前から晩年に至る人生の全ての段階において、神について考え、精神性に注目することは、精神的な安定に大きな効果をもたらします。数々の研究から、宗教的な家庭では道徳的な逸脱行為が非常に少ないことが明らかにされています。さらに、宗教の教えや宗教的な行為に注目することも、各種の精神的なトラブルや言動面での逸脱を抑止する大きな要素なのです。