緊急時の家庭経済の運営管理
今回は、経済状態が思わしくない場合の家庭経済の運営についてお話することにいたしましょう。
緊急時の家庭経済の運営法
経済状況が好ましくない場合、多くの家庭は経済的な問題に直面することになります。こうした問題は多岐にわたり、中には退職後の貯金を切り崩す家庭もあれば、このましくない経済状況の中で失業する家庭もあるかもしれません。さらには、生活費を捻出するために、借金をする家庭もあると考えられます。こうした問題が、家族の自尊心に悪影響を与えることは明らかです。
しかし、家庭がいかに好ましくない経済状況や不景気の影響を受けていても、その悪影響をなくす方法はいくつもあります。経済問題の専門家は、こうした問題を解決するために、その悪影響を緩和したり、それを未然に防ぐための戦略を提示しています。
家計が苦しい時において家族への助けとなる方法の1つは、不要な出費を減らすことです。家計の赤字を招く無駄な出費を防ぐためには、常に綿密な計画が立てられなければなりません。また、こうした節約は、大きな金額を貯蓄できるような方法で行うことが望まれます。
仮に、臨時収入が得られた場合には、これを貯蓄に回し、レジャーなどの不要な出費に充てることは避けるべきです。このように、毎月、一部の出費を抑えられれば、残りを貯蓄として預金しておくことです。この方法は、確かに家庭の経済生活にとって容易なことではないかもしれません。ですが、緊急時の安全を重視するなら、平常時にこうした安全のための費用をかけるべきなのです。
もっとも、その一方で1ヶ月分の予算を組む際には、娯楽や誕生祝のプレゼントなどにも費用を割り当てるべきでしょう。もし、こうした費用が大きな負担になることが心配であれば、その翌月には、それらの費用を減らすといった方法をとってみてはいかがでしょうか。こうして、1カ月おきに節約の月と少々奮発する月とを交互に実施すれば、感覚的にもバラエティーに富んだものとなり、より費用のかかる娯楽が自分にとって特別なものに感じられ、それが待ち遠しく感じられるはずです。
予算を組む際には、多額の費用のかかるものを別途に考慮するのがよいと思われます。また、子どもにお小遣いを渡す際にも、別途にそれを記録しておくとよいでしょう。子どものお小遣いについては、常に大体決まった金額を考え、誤った経済計画や緊急事態を理由にそれを減らしてはならず、また臨時収入があってもお小遣いを増やしてはなりません。お小遣いの増額は子どものニーズや年齢、さらには世の中のインフレに応じて、段階的に行うべきなのです。
既にお話したように、貯金をすることは、経済的な困難を回避する確実な方法です。しかし、私たちは貯金があるときにはこれを貯蓄として、また資本として捉えることになります。これは例えば、何年もかかって貯めた資金で、車や住宅を購入したり、或いは貯金をあるビジネスに投資したり、さらには子どもの教育や結婚資金に充てるなどといったことにあたります。こうした使い道はごく自然的で理にかなったものであり、誰もこれに反対する人はおらず、また回避できないものです。しかし、いずれの場合においても、家計が苦しい状態になり、貯金が何らかの理由で底をつくこともあります。このような状況を回避するのに、緊急時に備えた預金口座を作っていたことは大きな助けとなります。こうした預金口座は、家族に想定外の出来事や危機といった万が一の場合以外には、決して手をつけない口座です。
さらに、生命保険に加入することも、家族の経済的な混乱から守るための助けとなる重要な手段といえます。人間は誰も、いつ死亡するか分からず、また同時に自分の家族を経済的に苦しめたくないと考えています。生命保険は、家族を守る確実な方法の1つです。生命保険の多くは、契約者に万一のことがあった場合、その遺族に適切な金額を支払い、経済的に困難な状況においても、比較的安定した生活を保証します。