健康的なスポーツとしてのウォーキング
今回は家庭にとって最も健康的なスポーツとしてのウォーキングについてお話することにいたしましょう。
最も手軽なスポーツとしてのウォーキング
それでは、ここからは、家族の健康や安らぎ、アンチエイジングにつながりうる、最も手軽なスポーツとしてのウォーキングについてお話することにいたしましょう。ウォーキングは、有酸素運動の1つとされ、エネルギーを消耗するスポーツであるとともに、これを行うことである規則的なパターンに沿って足や腕が使われることになります。
運動生理学者、心臓、胸骨、神経の病気や肥満の専門家は、全ての年齢層の人々に対しウォーキングを奨励しています。この種の運動は、ごく自然的で普通の運動であり、あらゆる年齢層の家族、さらには病気から回復した人も実行し、楽しめるものです。ウォーキングには、特別なテクニックは必要なく、いつでもどこでも実行できます。
規則的なウォーキングを習慣づけるための最も簡単な方法は、自宅や職場の近辺を歩くことです。もし、公園や海岸、山などの場所からウォーキングを始めると決めた場合には、常に途中で挫折する可能性が存在します。このため、自分の住んでいる場所の近辺のコースを選ぶことがお勧めです。
自宅や職場、或いはその近辺からウォーキングを始めたら、そのルートを引き返してみてください。また、ウォーキングの際には深呼吸を忘れないようにしましょう。そして、始める前に十分な量の水分を補給することも忘れないでください。コップ1杯の水を、開始前の2,30分前に飲み、さらに5分前にコップ1杯の水を飲むことをお勧めします。それから、アスファルトで舗装された道路よりは、柔らかい土の道を選ぶのがよいでしょう。
研究者によれば、1日わずか30分間、普通の速度でウォーキングをすれば、多くの慢性病の危険を30%から40%減らしたことになります。ウォーキングによる効果を最大限に挙げたい場合は、週に3日から4日、1日当たり30分から1時間かけて、普通よりやや早い速度で歩くとよいでしょう。これにより、血中コレステロールを下げるとともに、運動不足による病気の多くを克服することができます。
医師の見解では、速い速度でのウォーキングは心臓に極めて有益であるとされています。それは、心臓が筋肉で構成された器官の1つであり、筋肉の内部により多くの血液が循環することで、その筋肉の力が増強されるからです。また一方で、規則的なウォーキングにより血圧を下げることができます、1日におよそ20分間歩く人については、脳血栓による脳卒中のリスクがおよそ40%下がります。
中くらいの速さでのウォーキングを、1日に30分間行うことも、およそ200キロカロリーのエネルギーを消費するのみならず、体内に残存していたその日のエネルギーの燃焼を促すことになります。ウォーキングはまた、筋肉や関節、関節付近の筋肉の強化につながり、結果的に関節炎による痛みを緩和します。もっとも、こうした状況におけるウォーキングは、関節を休める機会を設けるために、1日おきに実行すべきです。なお、重量オーバーや進行中の病気などを抱えている人は、ひざに負担をかけないように注意することが望まれます。
ウォーキングによるほかのメリットは、うつ病の治療であり、ウォーキングによって脳内でベータエンドルフィンが作られることで、ストレスやうつ病の予防に役立ちます。これまでに行われた研究調査では、うつ病の患者で、薬物ではなく運動やウォーキングによる治療を受けている人は、薬物のみを服用した患者に比べて、うつ病の再発が極めて少なくなっています。