12月 27, 2016 20:34 Asia/Tokyo
  • 家庭の経済

社会の最小単位は家庭です。家庭は、人間の生活、消費、教育の中心地です。仕事をする人たちの行動でさえ、家庭の文化の影響を受けています。そのため、家庭が、経済問題に対する見方や行動規範の点で進歩すれば、その国の活動や生産の文化も発展すると言えます。そのため、あらゆる社会において、家庭は社会における製品の生産やサービスの最も重要な要素であり、その重要な機能のひとつは、人材の確保、つまり種の存続です。このことから、経済学者は、家庭を社会の経済生活の基盤と見なしています。

家庭の経済についてお話しする前に、「経済」の意味について説明しましょう。

 

「経済」の定義では、何よりもまず、人間の要求と不足の2つの問題が提起されます。製品やサービスは、人間が求めるものであり、それを利用するために生産します。もしそのいずれかがなかったら、人間の生活は問題に直面する可能性があります。製品の大部分は、大地や天然資源から手に入りますが、建物、自動車、航空機といった多くの製品は、自然の可能性をコントロールするための人間の努力によるものです。さらに、人間や人材も、製品やサービスの生産に必須です。そのため、生産に役立つ要素としては、大地や天然資源、人材、資本があげられます。

 

「資本」は、大地と天然資源に対する人間の支配や努力の結果です。国の自然が豊かで、有能な人間の数が多く、必要な資本があれば、その社会の製品やサービスの量も増えることが期待されます。しかし、それらに恵まれていなければ、つまり「不足」している状態です。

 

こうした中、人間の要求は際限がなく、科学や産業の発展により、このようなニーズは増加しています。経済学は、実際、最低限の資源を最大限に活用するにはどうしたらよいかを私たちに教えています。家族もまた、人材と資本という2つの重要な要素を有する経済単位であり、家族の経済を、どのように組織化し、管理するかを説明することができます。

 

家にある資源とは、どのようなものでしょうか?時間、資金、生活空間、といった可能性を挙げることができます。これらは表面的には異なるもののように見えますが、すべてに共通の特徴があります。それは、“不足”です。人々はいつも、もう少し時間があったら、もう少し家が大きかったら、もう少しお金があったら、などという言葉を口にします。物質的な資源の点では十分であっても、それ以上にほしいと望むのです。

 

家族は、最良の食事を口にし、最も美しい服を身につけ、最高の家に住み、頻繁に旅行に出かけないと考えています。しかし明らかなのは、家族の資源や予算は限られており、不足は多くの家族にとって一般的な現象です。そのため、家族は限られた資源に注目し、自分たちの要求の中から選択し、家族が最大限に満足できるためにはどうしたらよいのかを決定しようとしています。

 

では、どのように消費すればよく、誰が仕事をすべきで、いつに働けばよいのでしょうか?収入を最大限に利用するにはどうすればよいのでしょうか? 家で作れるものは何でしょうか?これらの疑問は、毎日家庭内で提起され、経済的な決定には、正しい選択が必要です。そのため、選択は、家庭の経済の中心だと言えます。

 

家族の経済について語るとき、この種の経済は、裕福な家庭に関するものに限られず、収入と支出が一致していない低所得に関しても、さらに当てはまるものとなっています。

 

家庭の経済において注目すべき点は、収入の増加が、家庭の経済の回復を意味するものではないという点です。それどころか、収入の増加は費用の増加を導き、そうした費用の管理こそが、家庭の経済運営の能力を明らかにするものです。家庭は、財政赤字に直面した際、政府と同じように補正予算を出したり、余分な費用を削除したりすることはできません。そのため、出費を管理する必要があるのです。

 

家庭の経済をほかと比較することのできないものにしているのは、仕事と家庭の役割の間のつながりの存在です。それにも拘わらず、家庭の経済活動を娯楽と見なすことはできません。それどころか、細かい計画によって追求する必要があります。これは、家族全員が、目的を推進するため、家庭の経済政策に従う義務があるということを意味します。

 

家庭の経済の管理は、普通の状態では、それぞれの家族の収入や費用に合わせて調整されます。家庭では、親が心理的、社会的な管理を行う必要がありますが、同じように、収入と支出のバランスを保つことにおいても、管理が必要です。家族の生活においてはさまざまな決定が下されるべきです。

 

家庭の予算は、冷蔵庫、テレビ、自動車、住宅、その他の製品や、外食など、流動的な消費製品のために費やされるものがあります。これは、子供の数や教育のレベルなどについてもあてはまります。つまり私たちは常に収入と支出のバランスが取れること、第二に、家庭や社会の文化や好みを考慮した上で選択を行うことに注意する必要があります。

 

家庭の費用を削減するために、あらゆる方法を使う前に、まず、さまざまな出費のあり方を比較すべきでしょう。その上で、家庭に好ましい状況を生み、最終的な要求を実現するとともに、最低限の費用で住むような方法を選択すべきです。例えば、製品の質と費用を考慮した上で生活用品を選ぶ必要があり、安価であると同時に、その使用目的を実現できることが必要です。

 

家庭の経済に役割を果たすもうひとつの要素は、時間です。時間には特徴があります。時間は限られた資源であり、蓄えることも、取り戻すこともできません。またそのリズムを早めたり、遅くしたりすることもできません。そのため、手に入れた分だけ費やすものとなります。

 

人間は、持っているものに対して責任を持っています。そのため、時間に対しても責任があります。時間に対するこのような見方により、時間の割り振りは、家族にとって特別な重要性を有しています。実際、時間の有効利用を目的にした家族計画が、家族の経済計画における第一歩となっています。

 

計画性のない家庭は、放置された組織と同じです。家庭を形成する目的は、それを管理する人が、自分たちの持っている可能性を十分に知った上で目標を実現するための計画を立てなければ、達成されません。そのためにはまず、家庭の全体的な目標の枠組みを決定する必要があります。その上で、本来の目的を達成するための細かい計画に分類していきます。このように、計画を立てるには、短期的、中期的、長期的なものが必要になっています。

 

長期的な計画を立てる際には、家庭の収入や期間などに注目する必要があります。子供を大学に通わせる、といった目標は、一夜で実現するものではなく、それに向かった準備が必要です。このことから、長期的な計画と共に、短期的、中期的な計画が必要になってくるのです。

 

長期的な目標のために調整すべき中期的な計画では、それを最高の形にするために、自分たちの可能性やニーズを確認する必要があります。例えば、子供を大学に入れようとする際、それまでの小学校や高校で、適した環境で学ばせるなどの土台が必要になります。

 

また、中期的な目標を実現するためには、いくつかの短期的な計画が必要です。経済の専門家は、この段階のあと、つまり、目標を実現するための計画や方針を決定すれば、家族は安心して暮らすことができ、家族の心から利己主義を取り除き、皆で一緒に、家族の幸福について考えることができるのです。

 

 

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